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100,000人のスマホアプリ利用状況がわかる「App Ape Analytics」

ここでしか見れない、アプリ市場の調査結果をお届け。

2017.03.16

飲食系O2Oアプリは「売上優先」で運用してもうまくいかない~スシロー、コカ・コーラ、丸亀製麺の担当者が語る人気の秘訣

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飲食系O2Oアプリは「売上優先」で運用してもうまくいかない~スシロー、コカ・コーラ、丸亀製麺の担当者が語る人気の秘訣

最近では多くの飲食店や小売店がアプリサービスを展開しており、お店に行く時にアプリを持っていないと損をしてしまうような時代。「あのお店はアプリやっているのかな?」と来店する前にチェックする人も多いのではないでしょうか。

そのくらい、人々のライフスタイルにスマホアプリが浸透してきています。

ただし、多くの企業がデジタルマーケティングの一環でO2Oアプリ事業を展開する一方、アプリ経由の集客に苦労している企業も。誰もが知る有名なチェーン店でもアプリのユーザーが伸び悩んでいることは決して稀ではなく、ダウンロードしたものの、あまり使われていないケースも少なくありません。

果たして集客に成功しているアプリは他のアプリと何が違うのでしょうか。

2017年2月14日に開催されたフラー株式会社主催の「App Ape Award 2016 授賞式」では「一販路としてのアプリ活用とトップランナーから見た2017年O2Oの未来」をテーマにパネルディスカッションが行われ、以下の豪華企業のアプリ担当者がパネリストとして参加しました。

・株式会社 あきんどスシロー マーケティング部 部長 山本 直幹氏
・日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 IMC iマーケティング
 シニアマネージャー 平尾 卓也氏
・株式会社トリドール(「丸亀製麺」運営) インフォメーションテクノロジー部 部長
 経営企画室 次長 村上 卓也氏

これらの企業のアプリ運営における共通点として

【1】「売り上げ優先」でアプリを運営していない
【2】 最大の目的はアプリを通じて顧客満足度を上げること
【3】「より良いサービス提案のための情報収集」と「顧客への還元」をするツール

の3点を見つけることができました。

そこで今回は、パネルディスカッションの模様から、これら3つのポイントについて具体的に何をどう行っているのかをかいつまんでお届けします。

「売り上げ優先」でアプリを運営していない

ーー3アプリとも300万DLを突破していますが、これまでの成果について教えて下さい

山本 スシローアプリでは、基本的には顧客満足度を上げることしか考えていません。私はIT屋さんではないので、デジタルなことはそれほど詳しくないですが、「マーケティングツールとしてどうアプリを使うか?」を考えながら仕事をしています。

「どうしてスシローに行かなくなったの?」という質問に対して「行きたいけどいつも混んでいる」、「店舗で待っていられない」という声が多く、このお客様の声に応えるために「スシローアプリ」として2015年4月から開始しました。アプリから来店の事前予約やネット注文ができるようになっています。

また、昨年の10月からは来店するごとにポイントがたまる「まいどポイント」システムを開始し、アプリサービスを拡充させています。

今後はアプリから収集したお客様の情報をデータベース化して分析し、お客様に合ったサービスを提供できるように進めていきます。

一方、「デジタルではできないこと」もまだまだあります。今後はデジタルと並行してアナログ施策との連携にも取り組むことで、デジタルでは行き届かないお客様層へのサービスにも力をいれ、さらなる顧客満足度に繋げたいと考えます。

平尾 私は、「Coke ON」アプリのマーケティングの他に、コカ・コーラのデジタル担当としてデジタル戦略の構築と実行を担当しています。

「Coke ON」は自販機とつないで使うアプリで、15本買うと1本無料になるスタンプサービスをベースに「飲む・買う・楽しむ」の3つの領域をカバーしています。また、「365日をより楽しくよりお得にする」というコンセプトで、音楽配信アプリSpotifyとの連携コンテンツも展開しています。

キャンペーンとしては、例えば去年8月のリオオリンピック開催中に、日本人選手が金メダルを獲得した瞬間に記念のドリンクチケットを発行するイベントを実施しました。この時に大きくユーザーが増え、現在は約300万DLを達成しています。

他にも、「気温連動型のキャンペーン」として、気温が35度超えたエリア限定で熱中症対策としてアクエリアス無料チケットを提供しました。今年も多くのユーザーに利用してもらうために様々なキャンペーンを実施していきたいと思っています。

村上 私はトリドールで丸亀製麺アプリを担当していますが、私の場合、IT屋でもマーケッターでもなく、事業企画畑の人間なんです。現在はIT部の部長も兼務していますが、「ITを使ってどうビジネスインパクトを出すか」をテーマに活動しています。

ですので、丸亀製麺のお客様の情報をきちんと分析した上で、どうやったら我々の商品の価値をお客様に提供できるのかを突き詰めるのがミッションとなります。

アプリでは初回ダウンロード時にかしわ天無料、釜揚げうどん半額といった破格のクーポンを提供しており、また、レシートのQRコードを読み込むと新しいクーポンが必ず手に入る「無限ループクーポン」を実現しています。

昨年の6月にクーポン機能をリリースして、13日間で100万DL突破、先日2月9日に300万DLを達成しました。

初回DL時にインセンティブの高いクーポンを提供しているので、社外の方々に「利益は大丈夫ですか?」と心配されるのですが(笑)、粗利への影響は少なく、どういうクーポンが人気かも分かってきたので、さらにクーポンサービスおよびアプリダウンロードのアクセルを踏んで行こうと思っています。

ーー「App Ape Award 2016」で企画賞を受賞された丸亀製麺アプリは、うどんに天ぷらを載せた写真をTwitterで投稿するとアイテムコードが入手できる「丸亀製麺とファイナルファンタジーのコラボ企画」がネットで話題となりました。

山本 私にはこういう発想が全くなかったので、本当に素晴らしいと思います。

平尾 「コカ・コーラ」のブランドイメージではなかなか難しいですが、写真映えもするコンテンツは企画としてとても有益ですし、丸亀製麺さんがうらやましいですね。

最大の目的はアプリを通じて顧客満足度を上げること

ーーO2Oアプリはお客様に「利用情報」を提供してもらうことが重要になりますが、より多くのユーザーに情報提供してもらうために工夫していることはありますか?

山本 スシローアプリには「受付」と「予約」の機能がありますが、「受付」では今すぐ行きたいお客様がお店にバーチャルに並んでいる状態を提供しています。このサービス提供においては一切、お客様の情報を頂いていません。

一方、1ヶ月前からできる「予約」機能においては、お客様の情報を頂いています。が、これはマーケティングのためではありません。

主な目的は、大雪や地震があったり、ショッピングモールが停電になったり、といった緊急事態にお客様に店舗の状況をきちんと連絡させていただくため。その後、お客様の情報をデータベース化して、良いサービスを提供していくために、「まいどポイント」にご登録していただくにあたって、最低限のお客様情報を提供いただくようになりました。現在では大体7~8割のお客様に情報をご提供頂いています。

平尾 「Coke ON」も、基本的にはスシローさんと同じ考えでアプリを運営しています。キャンペーンがきっかけでDLしてもらうことが多いので、そこでチケットを取得してもらうために必ずログインして頂きつつ、その情報と購買データなどを紐づけながら「より良いサービス」を提供するために利用しています。

お客様にはログインすることが負荷にならないように、お得なサービスをご利用いただく流れで、利用情報を提供してもらうメリットを伝えながら「自然な形でログインしてもらう」仕組みを工夫して考えています。

村上 丸亀製麺アプリはログイン機能はなく、提供してもらっているデータは性別、年齢、職業、地域などです。個人的にはまだまだ「テストアプリ」的な位置づけで、次期アプリにはログイン機能を入れることも検討していますが、現状でも購買履歴やクーポン利用情報からお客様の趣味嗜好に合った施策は十分できると考えています。

丸亀製麺では会計時にお客様が行列を作ることが多いので、会計の時にアプリのバーコードを読み取る手間をかけると会計が遅くなってしまい、お客様に迷惑ですし、売上減少に直結してしまいます。

そこで、会計を終えた後にレシートのQRコード読み込んでもらうことで会員情報と購買履歴の結びつけを実施しており、そのインセンティブとしてクーポンを提供しています。その結果、今は繁盛店でも30分で100会計を捌いています。

顧客から得た利用情報を「より良いサービス」で還元する

ーー最後に、自社アプリの課題と今後のサービス展開について教えて下さい

山本 先ほど話した「デジタルとリアルの融合」ですね。

スシローは「何人で来るか?」「子連れか夫婦か?」「どれくらいの頻度で来店するか?」といった、アプリ経由で収集したお客様のビッグデータをまだ店頭で活かしきれていないことが大きな課題です。

アイデアを全て実現するとなると大規模な改革が必要になりますが、それでも「100円寿司を楽しみに来店されるお客様にはしっかり100円寿司をオススメする」といったような世界観にしていきたいと考えています。100円のお寿司しか食べないお客様に無理に280円のお寿司を薦めたら、顧客満足度を下げてしまうだけです。

他にも、お客様が着席した瞬間に求めている商品の情報を提供したり、いつもご注文いただいている商品をレーンに流したりすることが将来的にできれば、顧客満足度がさらに上がり、より一層、皆様にスシローを楽しんでいただけるのではないかと考えています。

平尾 「Coke ON」ではシンプルに「アプリと自販機をつなぐ」ことを目的にしているので、アプリだけでなく、アプリに対応したスマホ自販機も普及していかないといけません。

スマホ自販機は13万台(※2017年1月時点)を突破しましたが、コカ・コーラ社の自動販売機は約98万台あるので、お客様が日常的に利用しやすい環境づくりに努めていきたいです。

アプリのサービスだけでなく、それに対応した自販機を普及させることが今年の大きなチャレンジと考えます。

コカ・コーラは、(アプリシフトを理由に2016年に終了した)オウンドメディア『コカ・コーラ パーク(Coca-Cola Park)』の運営などで、10年以上デジタルマーケティングを続けてきているので、その一連の取り組みによってファンになっていただいたお客様も数多くいらっしゃいます。

なので、こうした過去の実績も踏まえながらサービス開発していきたいと思います。「Coke ON」とその先にある自販機をきっちりと繋いでいくようにチャレンジすることで、サービスを通じてお客様により良い体験を提供していけると思います。

村上 昨今のデジタルマーケティングの世界では、「O2O」とか「1to1」、「MA(マーケティングオートメーション)」、「AI(人工知能)」などといろんなキーワードが出回っていますが、個人的にはこのような流れに違和感を感じています。

お客様は、アプリから過度に情報をプッシュされることに飽き飽きしているのではないかと。

ですので、私たちはお客様に「丸亀製麺、わかってるな」と思ってもらえるように「見張られている」というよりもサジェストしてくれる「わかってるアプリ」を目指して次のバージョンの構想を進めています。アプリは丸亀製麺の看板を背負った接客の延長線、接客の一部ということを意識しています。

今回の調査データについて

フラー株式会社が提供するApp Ape Analytics(アップエイプアナリティクス)では、アプリを所持するユーザ数、1日にアプリを起動したユーザー数、アプリを所持するユーザーの男女年代比などの情報を複数のアプリで比較することもできます。 Free版(無料)もございますので、是非お気軽にお試しください!

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カテゴリー: トレンド

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