「動画・買い物・O2O」分野に変化の兆し~2016年ユーザー数が急増した24のアプリ全解剖&2017年のマーケット展望

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アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」を運営するフラー株式会社が、「2016年ユーザー数の伸び率がすごかったアプリ」を独自に調査して行ったApp Ape Award 2016。

2月14日、秋葉原UDXで開催したAwardの授賞式では、100個のノミネートアプリの中からさまざまな切り口で24のアプリをピックアップして表彰しました。

>> 参考記事:大賞はAbemaTV、パワプロ&パワサカ、GUに〜2016年、ユーザー伸び率がすごかったアプリ・オブ・ザ・イヤー2016が決定

今回のAwardは、ノミネート基準でもある「ユーザー数の伸び率」の他、アプリマーケットの時流や社会的なインパクトなどにも注目して各賞を設けています。

そこで本稿では、受賞したアプリそれぞれがどれくらい成長していたのか?という数字面の分析に加えて、

・受賞アプリの傾向から読み取る「4つのマーケットトレンド」

・2017年、注目のアプリ領域

もまとめてみました。

「マーケットが飽和している」と言われて久しいスマホアプリの世界ですが、ここで紹介するアプリの数々は、厳しい競争を勝ち抜いて今もなお成長を続けています。その事実からアプリビジネス全体の潮流を学ぶもよし、自社のアプリ開発に活かすもよし。ぜひ何かしらヒントを見つけてみてください!

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アニメ化が決定した『焼肉店センゴク』をはじめ、ここでしか読めない漫画が100作品以上掲載されており、全話無料で読み放題、累計450万ダウンロードを突破。App Ape調べによると、月間のアプリ利用者数はこの1年間で約6倍以上に増加しました。

クックパッドから分社化・独立して運営される無料のチラシアプリとして、昨年7月にアプリをリリース。掲載店舗数は全国で2万5000店舗を超えています。

アプリサービス開始以降ユーザーを順調に増やし、App Ape調べでは50代以上の女性が約17%を占めるというデータも。スマホの普及と歩を合わせて幅広い年齢層に支持されるアプリの好例となりました。

「位置×AR×国産IP」を組み合わせた新しいゲーム性で、世界展開に成功。日本だけでなく世界的な社会現象を巻き起こしました。

App Ape調べによると、サービスを開始してから間もない2016年7月末時点で月間アプリ利用者数はゲームアプリジャンルで1位を獲得。これまで類を見ないイノベーティブなアプリといえるでしょう。

ローンチ後にTwitterのアクティブユーザー数を抜いたというニュースが注目されましたが、App Ape Labでも日本でローンチ2日後のアクティブユーザーがTwitterを越えたことを報じました。

レシピ動画数国内No.1の同アプリは、2016年7月にアプリサービスを開始以降、女性を中心に人気が爆発。1分で見れる動画やレシピ検索の使いやすさが支持され、App Ape調べでは10代から50代以上まで幅広い女性層に使われています。今もなおアプリ所持ユーザー数は急増中で、半年で45倍以上になったという結果も出ています。

創業から約3年でサンリオの大人気キャラクター『ぐでたま』のIPを活用したゲームを2本リリース、第二弾となったこのアプリはリリース直後にアプリストアのカジュアルゲームランキングの1位を獲得、発売1カ月で所持ユーザー数が60万以上を達成するなど大ヒット作品となりました。

グッドラックスリーの担当者は受賞に際して、「名も知らぬ会社にライセンス使用の許可をくれたサンリオさんのおかげ。僕らはゲーム業界の中ではまだまだジェロニモ(=超人になる前の人間であるという意味)なので、今後、超人になれるように頑張りたい」とコメントしていました。

音楽配信で海外ではすでに大人気アプリとなっていたSpotifyが、2016年9月に日本でサービスを開始(※正式版は同年12月リリース)。以降、さっそくアプリストアの音楽ジャンルで上位にランクインし、注目を集めました。

App Apeの調査では、日本での所持ユーザー数も1年前の所持ユーザー数(=未ローカライズ版)と比較して200倍以上に伸びています。

全世界で1億人が使っている「顔をデコれる動画メッセージ」アプリで、日本でも「スノる」という言葉が女子高生の間で大流行するなど、若い女性に最も注目を集めたアプリといえるでしょう。

App Ape調べでは、2016年5月から急激にユーザーが増え、この1年間で月間のアプリ利用ユーザーはなんと70倍近く増加しています。ちなみに、アプリ名は「Smile Now」の略だそうです。

大企業の「アプリシフト」で成功を収めている企業はココ!

Facebookを利用した信頼できる婚活アプリとして注目を集め、主に30代男性、20代女性から支持されました。これまでのマッチングアプリのイメージを払拭し、安全・安心な出会いの提供を実現したことが受賞の決め手となりました。

App Apeの調査では、今回の調査期間の1年前(2015年)の同時期に比べてインストール数も20倍以上に伸びており、リクルートマーケティングパートナーズのアプリ担当者は「事業で社会に貢献するのは企業指針の一つ。今後も健全なアプリ運営をしていきたい」とコメントしています。

地震、津波、台風などの情報をいち早く届け、災害時にはテレビ放送の同時提供やライブカメラによる映像を配信するなど、災害情報を提供するアプリとして最も優れていることが受賞の決め手となりました。

App Ape調べでは、リリースから3カ月で所持ユーザー数が50万超え。日本放送協会の担当者によると、「これまでモバイル対応は本格的にやってこなかったが、昨夏からこのアプリを皮切りに動き出した。これからも安心・安全に役立てるように改良を加えていきたい」とのことです。

昨年6月に「天ぷら無料」など破格なクーポン提供を開始して人気を集めた同アプリ。1 日の最高ダウンロード数はなんと41万回を記録しました。大人気ゲームのファイナルファンタジーとのコラボ企画はネット上で話題となり、App Ape調べでは2016年の1年間でユーザー数を約40倍に増やすことに成功しました。

グローバルなビジネス情報誌『Forbes』の日本版が選定したこの賞は、シェアエコノミーの急先鋒とも言えるUberの新サービスが受賞。

アプリを起点に3つの新しいイノベーションを起こした(ユーザー体験・レストランのデリバリー・配達員の働き方)という点が、受賞の理由と説明しました。

総計564票の一般投票のうち、獲得票は195票。GANMA!が新人アプリ賞とのダブル受賞となりました。コミックスマートは受賞に際して、「アプリ上で作品を発表している作家さんがSNSで投票を募ってくれたことも、この賞を受賞できた理由の一つ」と話し、独自に漫画家さんを多数抱えている同アプリの特徴が表れた形となりました。

「ブランドアプリ部門」はO2Oで興味深い取り組み進める4社に注目

「スシローアプリで待ち時間ゼロへ」をキャッチフレーズに、席の事前予約機能やお持ち帰りのネット注文サービスを提供。来店するごとにポイントが貯まる新サービス「まいどポイント」も好評で、累計ダウンロード数は550万回を突破し幅広い年齢層に支持されています。

App Apeの調べでは、ひと月のダウンロード数で12万超を達成した月があるなど、飲食店のO2Oアプリとしては出色の成長を遂げています。

専用の自販機でドリンクを購入するとスタンプが貯まり、15個貯まるとお好きなドリンクと交換できるこのアプリは、対応する自販機の設置数が2016年11月に10万台を突破。それに伴い、2016年の年末にかけてアプリのダウンロード数が急増し、App Ape調べでは昨年12月のダウンロード数は約100万回を記録しています。

Spotifyの楽曲からCoke ONが厳選したプレイリストを聞けるミュージック機能も注目を集め、今後も目が離せません。

ボーリングレーンの予約や割引クーポンの配信など、アミューズメント業界におけるO2Oアプリの先駆者としてユーザーから熱い支持を受け、累計400万ダウンロードを突破。App Ape調べでは、2016年にアプリ所持ユーザーは2倍に増加しました。

自分の着こなしを投稿してポイントをゲットする「GU-SHARE」を始め、店頭で気に入った商品のスタイリングやレビュー情報がその場で取得できる「商品バーコードスキャン」、ショップスタッフおすすめのアイテムや着こなしが分かる「ショップブログ」など、数多くのアプリサービスが話題を集め、累計1000万ダウンロード突破。

App Ape調べでは、2016年の1年間でユーザー数は約2倍に増加。最新情報をお知らせするプッシュ通知送信時には約7割のユーザーがアプリを起動しているなど、アプリからの集客に大成功を収めました。

アプリ・オブ・ザ・イヤー「ゲーム部門」は国内外のタイトルが出そろう

全世界で累計ダウンロード数は5億回を突破、プレイ総数はなんと1兆回を超えたキャンディクラッシュのシリーズ第三弾となるキャンディクラッシュゼリー。

App Ape調べでは、日本でサービスを開始してから約2カ月という短期間で月間アプリ利用者数が約100万人に。日本市場への参入が難しいと言われる海外企業のゲーム事業ですが、このアプリは大成功を収めています。

Cygamesが贈る新世代の本格スマホカードバトルとして2016年6月にサービスを開始後、約半年間にわたってアプリストアのカードゲームランキングで1位を独占。2016年12月には600万ダウンロードを達成しています。

かつ、カードゲームジャンルとして初めて月間利用者数が100万を突破するという快挙も達成しました。

大人気シリーズ「白猫プロジェクト」のキャラクターを活用したこのテニスゲームは、直感的なオンライン対戦を実現し、特に若いユーザーを中心に多くの支持を得て700万ダウンロードを達成。App Apeの調査によると、約半年の短期間で、スポーツゲームジャンルで「最も月間アプリ利用者数が多いゲーム」に成長しました。


累計2900万ダウンロードを記録したパワプロは、ユーザー1人あたりの平均課金額で2016年1年間を通して常に上位にランクイン。そのシリーズ作として昨年12月にリリースされたパワサカはすでに600万ダウンロードを達成。

App Ape調べによると、この2つのアプリの同時所持率は非常に高く、シリーズを通して野球、サッカーと日本で最もメジャーなスポーツを題材としたゲームで大成功を収めています。

大賞の受賞に際して、コナミの担当者は「20年間、ブランドを大事に育ててきた結果がスマホアプリのダウンロード数にも反映された。アプリ版はクオリティの担保に苦労したが、たくさんの方に遊んでいただけてうれしい」と話しています。

アプリ・オブ・ザ・イヤー「アプリ部門」はEC系と動画系が独占

スマホカメラから3分で気軽に出品できる手軽さが、男女年齢問わず多くのユーザーに受け入れられたフリマアプリとして注目されました。ダウンロード数は2016年6月に日米4000万を突破。

特筆すべきは、すでにCtoCアプリとして日本のマーケットを席巻していたにもかかわらず、月間のアプリ利用者数は2016年の1年間で1.5倍以上に増加(App Ape調べ)していた点です。

地球上で最も豊富な品ぞろえを提供するeコマースとして誰もが知るショッピングサイトのアプリ版です。タイムセールのプッシュ通知など、アプリならではの機能も充実。App Ape調べでは2016年下期にインストール数が急増し、月間のアプリ利用者は2016年の1年間で約2倍に成長しました。

アマゾンジャパンの担当者は、「このアプリはモバイル先進国の日本で磨かれ、育ったといっても過言ではない。開発チームも日本にあるので、今後も日本のお客様の利便性を追求していきたい」と話していました。

メイク、ヘアアレンジ、ファッションなど、女子の知りたい情報を1分動画で解決するアプリとして女性を中心に人気を集め、月間再生回数は6億回を突破。App Ape調べでは、2016年の1年間でアプリ所持ユーザー数がなんと12倍にまで増加しています。

受賞に際して、C CHANNELの担当者は「2017年はリアルイベントの『Super! C CHANNEL』やドラマ配信も始めるので、引き続き期待していてほしい」と話していました。

「すべて無料で楽しめるインターネットテレビ局」として、会員数4000万人超のAmeba(アメーバ)を運営するサイバーエージェントとテレビ朝日が共同でサービスを展開している同アプリ。開局7カ月で1000万ダウンロードを達成し、テレビ番組の地上波とインターネット同時配信の実現に向けて、多大な影響を与えました。

AbemaTVの担当者は、「リリース後すぐに熊本地震があったが、テレビ朝日との連携で地震情報をリアルタイムで伝えることができたりと、社会的意義もある事業だと実感した。今後5~10年と発展していく事業にしていきたい」と受賞のコメントを寄せています。

2017年のアプリマーケット展望は?フラーCEO渋谷修太が語る傾向

App Ape Award 2016の最後に、フラー代表取締役CEOの渋谷修太は総括として昨今のアプリマーケットの傾向と「2017年注目のアプリ領域」についてスピーチを行いました。

まず、マーケットの現況について、渋谷はこのように分析しました。

「当社の調査では、アプリストアに存在するアプリ数は2015年→2016年で約2倍に伸びているという結果が出ています。しかし、スマホユーザー一人当たりの平均所持アプリ数は微増という結果に。この非対称性を鑑みれば、現在のアプリビジネスは供給過多と言えるでしょう」

ただし、上図のように、ユーザーの所持アプリの詳細を見ると「非ゲーム」ジャンルは伸び率が高いという傾向も出ています。「特に動画・ショッピング・店舗誘導を狙ったO2O分野が伸びている」と渋谷は話しており、注目ポイントは以下だと説明しました。

■動画分野は「1分動画」のような短時間で視聴できるノウハウ系と、AbemaTVのような「テレビ視聴に置き換わるアプリ」の2つが急成長中。

■ショッピング分野では、メルカリやAmazon ショッピングアプリの伸び率が顕著だったことからも、いよいよ“スマホコマース”が一般化してきたといえる。

■O2O分野には著名ブランドが本格的に乗り出し始めており、スマホを入り口にリアル店舗へ集客する使い方が今後もっと研究されるはず。

■ゲームアプリはPokémon GOのような位置連動だったり、以前ならテレビゲームでやってたようなハイクオリティなものが人気に。

これらの傾向に付け加えて、渋谷は2017年に期待する分野として、「先日ローンチされた『paymo(ペイモ)』のような決済アプリや、任天堂が昨年12月にiOS版をリリースした『スーパーマリオ ラン』のようなビッグタイトルのゲーム動向に注目している」と話しました。

中でも決済分野を含むFinTech関連のアプリは、ショッピングやO2Oとも密接に関わるものでもあるため、「すでに使われているアプリの機能拡張」としてもイノベーションを起こす可能性が高いといえるでしょう。

今後もApp Apeではアプリビジネスのさまざまな「変化の兆し」をキャッチアップしてお伝えしていきます。

App Apeについて

フラー株式会社が提供するApp Ape(アップエイプ)では、アプリを所持するユーザ数、1日にアプリを起動したユーザー数、アプリを所持するユーザーの男女年代比などの情報を複数のアプリで比較することもできます。 Free版(無料)もございますので、是非お気軽にお試しください!