漫画は紙からアプリの時代到来/「少年ジャンプ+」2年半でユーザー6倍に

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漫画の人気は発行部数からアプリのアクティブユーザーで知る時代へ――。集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」のMAUが配信開始から2年半余りで6倍以上に拡大していることが、App Apeによる分析で分かりました。紙媒体の漫画雑誌の発行部数が減る一方、アプリ発の新たな漫画市場がここ数年で急拡大していることをApp Apeで読み解きます。

「週刊少年ジャンプ」紙は10年間で3割減

日本雑誌協会が公表した2017年1〜3月の雑誌印刷部数によると、集英社が発行する「週刊少年ジャンプ」の発行部数は191万部と過去10年間で最少 となりました。

10年前に比べ3割も減部しており、紙媒体で漫画雑誌を読む人が減っていることがデータで裏付けられた形です。最近では、超人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」の連載が9月に終了した影響とみられる前期比7%減の大きな落ち込みがありました。週刊少年ジャンプとしのぎを削る講談社のライバル誌「週刊少年マガジン」も96万4158部と10年前の5割程度にまで減りました。

では、漫画自体が読まれなくなってきているのかといえば、実はそうではありません。
漫画雑誌の購読が減る一方、漫画アプリのアクティブユーザーは着実に増えているのです。

App Apeを使って詳しく解説します。

漫画アプリは急成長、「少年ジャンプ+」2年でMAU6倍!

集英社は2014年9月、漫画雑誌アプリ「少年ジャンプ+」を配信開始。電子版の週刊少年ジャンプをいつでも読める他、無料作品を多数配信しているのが大きな特徴で、紙媒体の雑誌の部数が減る中で、読者獲得につなげようとアプリによる漫画配信が本格的に始まりました。

MAUの推移を見ると、配信開始の14年9月に比べ、2016年4月時点で6倍以上に伸びました。紙媒体の週刊少年ジャンプの現象に歯止めがかからない中、漫画アプリは右肩上がりで急成長しているのが分かります。

[データ元: App Ape Analytics (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数であり、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数

MAUが過去最高を記録したのは16年9月。DAUを見ると、9月17日以降に急増しています。

[データ元: App Ape Analytics (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数

9月17日発売の週刊少年ジャンプは、「こち亀」の最終回を掲載。普段あまりアプリを使っていなかった読者層の注目も集まり、アクティブユーザーが急増しました。

その後MAUは一時的に減少しましたが、「こち亀」最終回が呼び水となり、16年12月からは上昇に転じています。紙媒体の週刊少年ジャンプが大きく減部する一方、漫画アプリは逆に活況を呈している実態が垣間見えます。

ちなみに男女年代比は以下の通り。2、30代の男性読者を中心としながらも、女性読者も20代を中心に4割近くを占めているのが特徴で、幅広い読者層を獲得しています。

[データ元: App Ape Analytics (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
男女年代別比率:そのアプリの対象期間における所持ユーザーのうち、男女×年代でみたときの各世代の割合

漫画は紙からアプリへシフトする時代に突入

今回のようにApp Apeを使えば、他の様々な漫画アプリのアクティブユーザー数の推移を月別、日別、時間別で把握することができます。

これまで漫画雑誌の人気を調べる指標は、それぞれの媒体が公表する発行部数でした。しかし、ここ数年でアプリによる漫画の購読が急増する中、アプリのアクティブユーザーが人気を知る指標として重視される時代へと入ったようです。

漫画のアプリシフトは、漫画の市場構造を大きく変化させるきっかけにもなっています。朝日新聞出版のニュース・情報サイト「AREA dot.」の漫画アプリに関する記事で、漫画アプリ「LINEマンガ」編集チームマネジャーの村田朋良さんはこう指摘します。

”「電子書籍販売につなげるべく、2014年8月に商業誌の漫画の無料連載コーナーを開設すると、無料連載を読んだあと、ユーザーが書店に紙の単行本を買いに行くという動きが顕著に増えました。単なる電子書籍販売サイトではなく、漫画自体を売るプロモーション媒体として機能しはじめたということです」”
出典:AERA dot.2016年5月17日配信「少年ジャンプ+」「LINEマンガ」…アプリ戦国時代に売れる漫画とは?

アプリを漫画のPRツールとして活用することで、紙とアプリの両方で売り込むチャンスが生まれたことは、漫画の売り方そのものを大きく変えることにつながります。

アプリ/Web発の人気コンテンツも生まれる

さらに、「少年ジャンプ+」で16年4月に連載を開始した漫画「ファイアパンチ」が累計40万部の大ヒットを記録するなど、アプリやウェブでのオリジナル漫画の連載が人気を集め、紙の単行本発行につながる「逆転現象」も生まれています。「少年ジャンプ」副編集長で「ジャンプ+」担当の細野修平さんは、同じ記事で「ファイアパンチ」のアプリやウェブでの掲載についてこう述べています。

”「ウェブ媒体は、読者からの反響がダイレクトに返ってくる。18年間編集者をやっていて、ここまで勢いのある作品ははじめて」”
出典:AERA dot.2016年5月17日配信「少年ジャンプ+」「LINEマンガ」…アプリ戦国時代に売れる漫画とは?

漫画の購読は、紙からアプリへと確実にシフトしています。

漫画アプリの利用動向を分析することで、読者の志向をつかみ、コンテンツに反映させることが、アプリ開発者だけでなく、漫画編集者にも必須のスキルとなる時代がすでに到来しているのです。

さらに詳しいデータや他のアプリの時間帯ごとのアクティブユーザーの動きなどを知りたい方は、お気軽にこちら からApp Apeの無料版をお試しください。