企画、開発、グロースまで…アプリの悩みを解決するApp Meet Up セミナーレポート

0 SHARES

株式会社グッドパッチと株式会社トライフォート、フラー株式会社の3社は1月24日、アプリに携わるビジネスマン向けのセミナー「App Meetup#1」を開催しました。本記事では、同セミナーの内容をお届けします。

常にユーザー視点に立つことがビジネス成功につながる

株式会社グッドパッチ
後藤 喜子
UXデザイナー兼プロジェクトマネージャー

株式会社グッドパッチ UXデザイナー兼プロジェクトマネージャーの後藤 喜子氏は「UXデザインプロセスでの落とし穴と回避策」をテーマに、UXデザインフェーズで陥りやすい5つのケースを挙げ、各ケースに対する回避策を紹介しました。

1.課題がどこにあるのか洗い出し・整理ができておらず一時的な成果ばかり追いかけてしまっている

UXデザインフェーズの落とし穴として“課題がどこにあるか分かっていないケース”を後藤氏はまず紹介。回避策として、「課題の洗い出しと適切な方法を考えていくことが大切だ。」と、した上で「UXデザインはすぐに結果を求めず継続して改善することが重要」と強調しました。

2.導入してみたが社内の進行と合わない

2番目に紹介したのは、先にサービスや機能要件を決めてしまい、システム設計が先行してしまっていて、なかなか取り戻しができない状況になってしまっているケースです。 陥りやすい落とし穴の回避策として、後藤氏はなるべく早いタイミングでUXデザインプロセスを導入をすることを提起。「ユーザー調査を行う前に機能や設計を決めてしまうと、覆すことが難しくなってしまい、本当の意味でのユーザー体験を作れなくなってしまう。」と警鐘を鳴らしました。

3.ターゲットがなかなか決められない

3番目に紹介したのは、ターゲットを年齢性別だけで考えてしまい、すべての人をターゲットにしようとしてしまっているケースです。回避策として、サービスは誰のためのものなのか、どんなシーンで利用されるものか、あらゆる角度から検討を行うことの重要性を後藤氏は解説。「アプリの場合、スマートフォンを日常的に利用している人に継続的に利用してもらうことが重要だ」とターゲット設定の基本を強調しました。

4.サービス・機能が絞り込めずモリモリになってしまう

手段(機能)が目的になってしまって、優先順位が決められず「結果的に全部機能を盛り込むことになってしまいがち」と4つ目のケースを後藤氏は紹介。回避策として、「ないよりは合ったほうが良いとされる機能は、なくても支障がないと判断することが大切」とした上で、「要素が多過ぎるとユーザーは選択できなくなってしまうため、サービスの目的は機能を提供することなのか、サービス自体を継続的に使ってもらうことなのか、優先順位をはっきりさせて必要最小限に絞り込むことが重要」と語りました。
さらに「機能はリリースしてからでも追加できるし、リリースしてからでないとユーザーの反応も分からないため、最小限の機能でリリースすることが大切だ」とも付け加えました。

5.意見がまとまらない

最後に紹介した陥りやすい落とし穴は、ターゲットであるユーザー層に共感ができておらず、最終意思決定の人物や決定フローが決まっていないケースです。回避策として後藤氏は「常に判断軸をユーザーにして、ユーザー視点に立つことが重要。このターゲットの場合、どのようなニーズがあるか、など常にユーザーにもとづいて仮説を立て、物事を決めていくことが重要だ。」と訴えました。

一方、ユーザー視点だけでなく、クライアントのビジネス的観点も重要なため「最終意思決定するまでのフローを最初の時点で見積もっておくことが重要だ」ともコメント。後藤氏は「常にユーザーのことを考えて、ユーザーの満足度を上げることが、クライアントのビジネスの成功につながる」と締めました。

「同じ釜の飯を食う」ことがプロジェクト成功につながる

株式会社トライフォート
宇尾野彰大
サービス開発部部長

株式会社トライフォートのサービス開発部部長、宇尾野彰大氏は、アプリ開発フェーズに関して「成功する開発プロジェクト3つのルール」をテーマに、開発会社が発注元とよく陥りがちな悩みやトラブルなどを実例を交え紹介。円滑なプロジェクト進行のためのTIPSを3つのケースに分けて解説しました。

1.関係者間で認識がずれ欲しいものと違うものができあがる問題

はじめに紹介したのは、アプリ開発やWeb開発は目に見えないものを作るため、どう作るのかが難しく、関係者間で認識ずれが置きやすいケース。「社風や経験が異なったり、3社以上がプロジェクトに関わる場合など構成する関係者が多い場合に認識ずれが起きやすい。」と指摘しました。

認識のずれを解消するため、宇尾野氏は「企画や構想の初期段階から早くチーム全体をジョインさせて、議論を発散させておくことが後になってより戻しが少ない」とコメント。チームビルディングのためのワークショップをし、認識のずれを理解する機会を作ることや、Proto.ioなどのプロトタイピングツールを活用し、荒くてもどんどん“見える化”することの重要性を強調しました。「プロジェクトに関わる全員が互いをパートナーとして共によいものを作ろうとする関係づくりも大切だ」としました。

2.開発過程で仕様変更が起こる問題

つづいて紹介したのは、開発過程で仕様変更が起こるケース。宇尾野氏は「ビジネス環境が刻一刻と変わる中、開発はどうしても数ヶ月〜半年以上かかるため、仕様変更はそもそも起こり得る問題だ」と指摘しました。
「仕様変更自体を否定せず、どのような目的で変更するのかをチームの中で理解し、開発にあたえる影響度を確認しながらチーム全体で吸収することが大切だ」と宇尾野氏。仕様変更が起きた際、混乱を避けるために「毎週定例MTGを実施し、現状・今後の計画を必ず確認することや、実際の互いの職場を見学しあったり、重要会議に同席させてもらうことが大切。どういう思いでコンテンツを作っているのかを理解するきっかけ作りをして、事実だけでなく目的・背景を丁寧に共有できる機会をつくることが問題解決につながる」と説明しました。

3.社内テスト段階で「なんか使いづらい」問題

最後に紹介したのは社内テスト段階で「なんか使いづらい」という声が上がるケースです。「企画書段階や会議では良いイメージができていたが、実際には要件定義段階では全て決めきれないため、結果プロダクトが出来上がった時に使い勝手が悪い状態になることが起きることが多い。」と指摘しました。

「開発チームのエンジニア側は矛盾や修正すべき点に気づいていることが実は多いものの、『決まっている仕様なので簡単に変更できない」『そもそも仕様変更してスケジュール遅延すればこちらの責任になってしまう』などさまざまな理由で遠慮をしてしまうことがある」と解説。プロジェクトの早い段階からチームビルディングを実施し、“同じ釜の飯を食う”ことによって、機能の課題点を開発チームから早い段階でキャッチアップする。ことが大切だと主張しました。
「合同朝会や週次振り返り会を、開発チームだけでなくプロジェクト全体で定期的に実施することで、不都合な真実を言い合える関係をつくることが成功するプロジェクトにつながる。」と提起しました。

最後に「決められた期間の中で何でも言い合える信頼関係・関係性を開発パートナー、発注元で築くことが重要だ」と、コミュニケーションの大切さを訴えました。

TopBuzz、Tik Tokが用いる“ユーザーが休眠しない”広告手法

フラー株式会社
杉山 信弘
執行役員CMO マーケティング部門管轄

アプリ分析プラットフォームApp Ape を展開するフラー株式会社 執行役員CMOの杉山信弘氏は「アプリ戦国時代の黒船襲来!?2018年伸びてきているアプリとは!」をテーマに、2017年後半からユーザーが伸びているアプリとして「Top Buzz」、「Tik Tok」を挙げ、App Apeのデータを用いたマーケティング施策分析のレポートを紹介しました。

1. 週刊誌に代わるアプリTopBuzz

ニュース・動画まとめアプリ「TopBuzz」は、直近3ヶ月のGoogle Playのエンタメランキングでは1位を独走しており、総合カテゴリでも1月には5位以内にランクインしていることを杉山氏は紹介。「インストールする度にDAUが増えており、インストールした方が“実際に使っているアプリ”だ」と指摘しました。
TopBuzzの実施しているYoutube広告クリエイティブも紹介し、「獲得ユーザーの多くが残存しており、ユーザーの増加に比べて、休眠があまり増えていない。獲得したユーザーの一定層がアクティブで、ヘビー層、ミドル層の割合がどんどん増えている」と杉山氏は説明。「広告で強引にランキングを上昇させているのではなく、ファンがしっかりとついているアプリだ」と分析しました。

TopBuzzユーザーのボリュームゾーンは40代男性。起動時間帯は他ニュースアプリと比べ朝はあまり見られず、昼が最大のピークで、昼以降は極端に減り、夜は18時・21時に増える傾向があることから「Top Buzzは、一人でなんとなく見るのには適しており、かつての週刊誌の役割にあたる」との考えを杉山氏は示しました。

2. 10代の放課後遊びのツールTik Tok

つづいて杉山氏は動画投稿アプリ「Tik Tok」を紹介。直近3ヶ月のGoogle Playランキングの動画プレーヤー/エディタカテゴリで1-3位をマークし、総合では順位を上げつつあることを紹介した上で、「AbemaTV 、 dTVとは同等のユーザー規模があり、直近ではかなり強力なアプリだ」とコメントしました。

Tik Tokのメインユーザーは10代男女で、コンテンツ投稿者は女性の方が多いものの、動画を観るユーザーは男性のほうが多いと杉山氏は紹介。一方、競合サービスである「MixChannel」は明らかに女性中心のユーザー構成で、10代、20代女性が多いため「Tik Tokに広告を打つのとMixChannelに打つのでは結果が大きく異なるはず」とコメントしました。

Tik TokとMixChannelの違い

杉山氏はTik TokとMixChannelとのインターフェースの違いも解説しました。MixChannelはタブによりテーマをしっかり分けているのに対して、Tik Tokはおすすめの導線が強力で、投稿者の押し出したい内容がメインかつハッシュタグでゆるい分類がされていると杉山氏は説明。動画も短尺ものしかなく、ミュージックビデオの体裁から派生している特徴を示しました。
Tik Tokは特に11月後半、12月のユーザーの伸びが凄まじく、「TopBuzzと同様に休眠ユーザーがほとんど増えておらず、ヘビーユーザー層がどんどん増えている。」と説明しました。

起動時間帯は、圧倒的に帰宅後(放課後)の利用が多く、夜10時程度まで見続けることから「Tik Tokは、10代の放課後の遊びのツール」との位置付けを杉山氏は強調。「テレビ離れ傾向のある若者にとってはHot Tik Tokerこそが身近な芸能人のようなものになっている」との見方を示しました。

ユーザーが休眠しない広告手法

2アプリに共通するプロモーションの特徴として、一度インストールしたユーザーの休眠率が低いことに杉山氏は触れ、「ユーザーが作っているコンテンツをなるべく加工せずに広告として使用するユーザージェネレイト型のコンテンツを、そのまま広告に活用している。広告を踏んだ時から、見たいコンテンツが決まっており、想像と全く同じ体験が、アプリ上で得られるためユーザーが休眠しない」と指摘。「ユーザーが想像した通りの体験をアプリ上でかなえることで、休眠は起きないのではないか」との考えを示しました。

今後もApp Ape Labではアプリに関わる全ての人に有益なセミナー情報をお届けします。お得な情報のお見逃しの無いよう是非以下フォームよりメルマガをご登録ください!