「App Apeを利用できるかできないかは大きな差になる」MAU50倍のデータ活用とPDCA。リミア金子社長×フラー代表渋谷特別対談

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App Ape Award2017でアプリオブザイヤーを受賞したリミア株式会社の金子泰章代表取締役社長と、フラー株式会社の渋谷修太代表取締役CEOがこのほど、受賞を記念し、対談しました。アプリシフトとともに、全社員がデータを駆使した施策と検証を繰り返した結果、リミアは1年前の数十倍規模に成長。金子社長は「これからはApp Apeのデータを利用できるかどうかで事業者間の差が生じる」と、アプリのビッグデータ活用の重要性を提起しました。(敬称略)

渋谷:App Ape Award2017の大賞受賞おめでとうございます!

金子:ありがとうございます。表彰式の時にもお話しさせていただきましたが、リミアがアプリにシフトしたのは去年のちょうど今ごろでした。MAU(月間利用者数)が数万レベルだった1年前を考えると、「ああ、本当に成長したな」と思います。まさか、こういう賞をいただけるとは1年前には想像もしていませんでした。「App Ape」を契約して学ばせてもらって、高い目標を定めてクリアしながら、「住まい・暮らしのナンバーワンメディアアプリ」としてここまで来ることができました。

渋谷:年間の目標はどんな感じに設定されていたのですか?

金子:自分たちのアプリはどれくらいの期間でどこまで成長できるのかや、プロモーションコストをどう見るかをApp Apeで研究して「これぐらいの規模になって、ここまではいける」という目標を定めました。

渋谷: 定めた目標に対して、結果はどうでしたか。

金子:かなり良かったです。定めたものよりも上振れしそうです。

渋谷:すごい!

金子:App Apeを使ってプロダクトをひたすら改善し、継続率が順調に伸びたこともあり、目標以上のところはいったかなと思います。

渋谷:App Apeで蓄積するユーザーの利用データを見ても、MAUがこの1年間で50倍以上伸びています。アップエイプアワードの大賞にふさわしいアプリはこれ以外にないと思います。

[データ元: App Ape(国内数万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]

「意識決定はデータに基づくことがほとんど」

渋谷:メディアをやっていて「次はコミュニケーション的なものに注力していこう」とか「目標のユーザー数の月間利用者数がこれくらいいったらCMを打とう」という意思決定は、どういうフローで決めていらっしゃるのですか。感覚的なところでいうと、データに基づく意思決定と、後はアイデアに基づく意思決定とあると思うのですが、その2つはどんなバランスですか。

金子:アイデアで始めることもあるのですけれど、意思決定はデータに基づくことがほとんどですね。渋谷さんもグリー出身なので分かるかと思いますけれど、ロジカル×クリエイティブ×スピードみたいなところが社風であってですね。

渋谷:グリーでマーケティングをしていた時、まさにそうでした。

金子:クリエイティブで考えつつも、ロジカルで判断するとか。それをゆっくりやっていたら他社さんに負けてしまうので、スピード感を持ってやっていく。なので、自社の中でデータをかなり管理して使っていますね。

渋谷:自分自身がグリーで働いていたというのもあり、リミアがこの1年間で成長したというのは、かなり納得感があるんです。ぽんぽんアイデアを作って、データで検証して意思決定していくと。

金子:愚直にそれをやっていますね。どういうジャンルが受けるのか、どういう構成がいいのか、ひたすらチューニングしてやってきました。

グロースのベンチマークをApp Apeで調査

渋谷:ここまでのグロースにつなげるのに、御社では具体的にApp Apeをどのように使っていただいたのですか?

金子:まず、MAU、DAU、属性といった他社さんのデータの中で、有力メディアさんの数字を調べました。こういう会社さんがこれくらいの数字が出ていて、これくらいの属性になると、こういうDAUになっているという参考値にさせてもらって、自分たちの現状の数字との乖離や差分を把握しました。それが見えてきたら、他社さんの動向を見て、どこが差分で乖離が生まれているのかというのを分析して、その差分を埋めるといった作業をずっとやってきたという感じですね。

渋谷:御社のApp Apeの導入が、ちょうどアプリシフトを始める時だったということがめちゃめちゃ興味深いなと思っています。最初にベンチマークとして調べたアプリはいくつくらいあったのですか?

金子:通常の契約以外にフラーさんにはカスタムレポートもお願いしていまして、ニュース系のメディアや女性系キュレーションメディアなど10個は特に注力して調査をしましたね。

渋谷:ベンチマークの調査対象が、住まい暮らし領域だけでなくかなり幅広いですよね。

金子:そうですね。例えば、ニュース系メディアは、オールジャンルで最大でどれくらいのユーザーが実際に利用しているのか、グルメ系と女性系のキュレーションメディアはどれくらいのところまで行っているのかなどをカスタムレポートで調べてもらって、大体の目標設定をした上で、どのジャンルを攻めていけばどれくらいの規模感が得られるのかをApp Apeを使ってどんどん仮説を立てていきました。

渋谷:そこがめちゃめちゃ一貫しているなと思います。「広く深く」という発想は、最初からそう思わないとなかなか出てこないと思うんです。

金子:あとは、アプリを利用している時間帯とか、この時間帯におそらくプッシュ通知を打たれていて、どんな内容のプッシュなのか、どうしてこのメディアはこの時間帯にこのプッシュを打っているのか、どんな効果があるのかというところまでApp Apeで見ています。

「アプリは継続率が命」

渋谷:KPIとしてはどんな指標を大事にしてきましたか?

金子:アプリはウェブと違って継続率が命です。より多くの人にアプリを長く使っていただくというのが一番にあるので、継続率を1日、1週間、1ヵ月とかいくつかポイントを定めてモニタリングをしていました。継続率で良い数字が出てくると、月間利用者や日間利用者も増えてきますからね。

より多くの方に使っていただくためには、継続率を見ていけばいいと思います。一方で、より長く楽しんでいただく観点で見ると、一人当たりの起動回数やアプリ利用のピークタイムが満足度を図る指標になってくると思います。その指標の掛け合わせが最大化していくのが望ましいですね。

「リミアは全社員がデータを見ている」

渋谷:金子さんはデータを調べて、見てということを息を吸うようにやられていると思うのですが、実際に、データを見たり、調べたりということは、社内のチームのどれくらいの人たちが実践・共有しているのですか?

金子:深さや領域はそれぞれの部署によって違いますが、基本的には全社員がデータを見ています。開発は表示速度のデータ、ディレクターは一人当たりの遷移率、コンテンツ担当は離脱率、編成担当はタップ率という風に、それぞれ部署ごとに見るべき数字というのがあります。加えて、全社的にMAU、DAUといった数字は見ているので、基本的にデータは社員に全公開して「見える化」しています。各チームごとに日毎の目標があって、朝会で昨日はどうだったとかという議論を毎日やっていますね。

渋谷:データおたくっていうくらいのやりかたですね。

金子:本当にそれを毎日やりつづけています(笑)。

渋谷:全員でやっているのがすごいです。会社によっては、データを見るのは社員の一部といったやり方の会社もあって、みんなに意識浸透していくというのは大変ですから。

金子:(データを全員に公開するという)そこは前提でやっていますね。

「App Apeは戦略策定になくてはならないツール」

渋谷:会議などでもApp Apeのデータを活用することがあるんですか?

金子:例えば、App Apeさんで調べたデータとかを出して、他社さんはこの辺りなので、僕らはここを目指していつまでにやりますとか、今ここまできましたといった報告に使います。加えて、他社さんに比べてKPIはこのくらいまできているので、我々はここまでいけるはずだからCMや広告をやりますといった戦略策定に使っています。なくてはならないツールです。

渋谷:理想のユーザー様です。

金子:あとは、例えば、他社さんがCMを打った時にどれくらい伸びたのかをApp Apeのデータで見て、広告宣伝費をこれくらい使ったはずなので、これくらいCPIが取れたのではないかといった仮説を立てて研究しながらやっています。

渋谷:いやあ、本当に理想のユーザー様です(笑)。

金子:なので、どこか部分的に限られた場面で使ったというよりも、App Apeのデータを因数分解してチームや経営のフェイズに落とし込んで使っている部分はありますね。

渋谷:本当に会社さんの色が出るなあと思います。めちゃめちゃ徹底していて、本当に素晴らしいです。

金子:瞬間風速的にApp Apeを使ったというよりも、常に使わせてもらったというのはありますね。

渋谷:データからアイデアが生まれてきたとかあります?

金子:プッシュ戦略とかはApp Apeの他社のアプリデータを見て活用しましたし、MAUとかDAUの差を見た時に、なんでこの会社さんはうまくいっているのだろうか、ここまで伸びているんだろうかというのを見た時に、コンテンツ戦略を考える際にじゃあ僕達はこんな戦略を取ったらいいんじゃないかと。それで、意思決定をしてその戦略を取っていく中で、またデータを見てこの戦略でいいのか検証していますね。

例えば、このジャンルのトップの方は、このMAU、DAUで、ではこのジャンルを取り入れたら、我々はまたここに上乗せしようとかできるかもしれない、このジャンルの組み合わせだったらここまで伸びるかもしれないというふうに、単純な足し算にはならないとは思っているんですけれども、パイを見る計算をApp Apeでさせてもらって、自分たちのメディアに取り入れて結果はどうだったのかを検証しています。

渋谷:やばい…最高ですね(笑)。CMを打つタイミングでもApp Apeを判断材料として使ったということですか?

金子:そうですね、App Apeで調べていくと、CMを打っているメディア・アプリって大体◯◯万ダウンロードくらいのタイミングで打っている場合が実は多いのがわかるんです。

渋谷:その意思決定で活用されているということですね。

金子:そうです。会社なのである程度計画がなければいけないので、App Apeの数値を元に計画を練った感じですね。予算を作る上でもApp Apeのデータを活用しました。

「コンテンツ量の適正化を常にやっている」

渋谷:リミアがユーザーから高い支持を受ける理由というのはどこにあると思いますか?

金子:住まい・暮らし領域のジャンルでいうと、今までメガなメディアがなかった中、リミアが十分なコンテンツを提供させていただいている点がユーザー様の支持につながっているのではないかと思います。単純にコンテンツの累積量があるだけではなくて、内部で毎日記事を作っていますし、人気ユーザーの投稿などで、毎月数千コンテンツが新たに生まれ出てくるので、来ていただくたびに常に新しいコンテンツにふれられるという魅力があります。

更新性があるからユーザーさんも来訪する頻度が上がるところもあるので、どれくらいコンテンツを提供できるとベストなのか、仮説を立てながら運営しています。情報が多すぎると、その情報に接触しないで終わってしまうので、コンテンツ量の適正化は常にやっています。

渋谷:今後さらにグロースをさせていくにあたって、重視すべき施策、視点があればぜひ教えてください。

金子:マーケティング施策やテクノロジートレンドでいうと、もっとうまくデータを使えるのではないかと思っていてですね。

渋谷:もっと(笑)!すごく貪欲ですね(笑)。

金子:データマネジメントはもっとうまくできると思っています。これは自社のデータも他社のデータも両方で、 App Apeのような他社のデータを生かしながら、自分たちのサイト改善に使ったり、プロモーションに使ったりしていきたいです。あとは、内部にデータがたまっていくと、コンテンツのパーソナライズ化みたいなこともできるかなと思っています。その人にあった画面の出し方やコンテンツ、プッシュ通知といった余地がたくさんあるなと思っています。その辺りは深掘りしていきたいですね。

渋谷:基本的にはiOS、アンドロイドですが、ウォッチなどの違うデバイスへの発展は考えたりされていますか?

金子:最終形はどうなるかはまだわかりませんが、スマートホームなどは親和性はあるなとみています。

渋谷:リビングは相性が良さそうですね。

金子:そうなんですよ。そこは親和性があると思っていて、関心が高いです。

渋谷:スマートスピーカーの使われ方のデータってご興味あります?

金子:あります。

渋谷:それだな(笑)。私、事業のアイデアを考え出し始めました(笑)。

金子:家の周りがIT化することは、リミアにとってはプラスになることだと思っているんです。そこをメディアとしてなのか、コンテンツプロバイダとしてなのかというのはありますが、何かいい関わり方があるかなと思っています。

渋谷:なるほどですね!

「App Apeのデータを生かせるかが企業の『差』になる」

金子:App Apeさんのデータって、アプリの事業者さんが生かそうと思えば、すごく生かすことができますよね。その観点で、App Apeを利用できるか、できないかは、これから事業者間の大きな差になると思います。

渋谷:そういう風に使ってもらいたいんですよね(笑)。自分たちも、もっともっとユーザーさんに使っていただいて、ビジネスを成功してもらえるように頑張ります。(App Apeのデータが)面白いなというのはみんな分かっていただいていて、あとは、それを戦略に生かせるか、実行に落としきれるかが大事なんです。

金子:まさに、その落とし切りが大変ですもんね。

渋谷:特にITの世界は、フェイスブックとかも言っていますが、アイデアはみんな思いつくのですが、実行は難しい。でも実際に実行するかどうかが大事なところで、そういう観点では、金子さんのところの使い方は理想形ですね。

金子:グリーも今、いろいろなメディアを立ち上げようとしていますが、データを見ながら、切磋琢磨しながらやっていますね。

toB、toC両面で事業展開

渋谷:今後、リミアをどう成長させていきたいですか?

金子:ビジネスモデル的な視点で見ると、今は広告中心でやらせていただいていまして、そこはある意味、規模連動で伸びていくところかなと思っています。そして、雑貨だったり、インテリアだったり、「もの」に近いところをやらせてもらったりしているので、今後の展開としてEC的なところへの転換、EC的なところへと乗せていくこともできるのかなと思っています。

リミアはtoC的なところで住まいと暮らしの「クックパッド」さんみたいなもので、toB的なところで「食べログ」さん的な考え方を持っています。去年はtoCとしてのクックパッドのようにコンテンツの量や質を強化して多くの方に来ていただけるような場を作らせていただいて、今年はさらにコミュニティ的な部分を強化します。toBの目線で見ると、「食べログ」さんのように事業者さんの集客的な部分をお手伝いするような事業をやっていきたいです。

渋谷さん、ご存知ですか?住まい・暮らし系の事業者さんって、タウンページを見ると実は100万件くらいあるんですよ。

渋谷:めちゃめちゃありますね!

金子:基本的には超ロングテール市場で、なかなかネット単体の担当をおくことができない場合が多く、HPを作ったけれどなかなか更新できなかったり、SNSアカウントを作れなかったりとネット戦略に苦戦されている企業様が多いんです。そんな企業様を支援していきたいなと思っています。

渋谷:めちゃめちゃいいですね。地方とかに行っても、セレクトショップのようなものありますし、DIYになってくると、逆に家がいっぱいある住宅地の方が需要がありそうですね。

金子:その観点でいうと、規模感が大きくなってPVも出てきているので、そこの市場にも入っていけるかなと思っています。

渋谷:そうですよね。企業側もユーザーがいれば、お金を出してくれるというのはありますよね。面白いなあ。メディアとして、BもCもどちらもサポートできる体制をいくということですね。

金子:その通りです。食べログさんとか、クックパッドさんとかアットコスメさんとか、年間売上高が150億円規模のいわゆるメガなコミュニティメディアさんというのは、広告から始めて、toB、toCと様々な事業を組み合わせています。クックパッドさんだと広告から始めてtoC向けのユーザー書き込みを取り入れて、食べログさんは広告もありつつ利用者様向けの販促もやっていて、アットコスメさんは、リアルだったりECだったりとかを力を入れていて。リミアはその組み合わせ方をどこのところからやっていくかを、今まさに戦略を練りながらやっているところです。

住まい・暮らしのナンバーワンメディアへ

金子:メディア全体の視点で見ると、リミアはウェブ・アプリを含めてまだまだ伸びると見ています。我々はメディアでやらせていただいている住まい・暮らしのジャンルでなるべく早くナンバーワンのポジションを取りたいと思っています。

そのために今、注力しているのは、コミュニティーの強化です。コミュニティーと一口に言ってもいろいろあると思うんです。インフルエンサー的な方々が投稿して人が集まる縦軸のコミュニティーも大切にしながら、リミアは同じ趣味を持つ横の関係のコミュニティーも同時に強化させていただいています。縦と横双方からより多くの方にたくさん使っていただくのが狙いです。

我々は、すまい暮らしに軸足を置きつつ、目標としてはマスなメディアになっていきたいと考えています。数百万人くらいに常に来ていただけるメディアにしたいと思っています。なので、バランスを取りながらも対象を逆にあまり絞りすぎないようにして、裾野を広めにしています。裾野を広くすることによって、プロモーションをやってもより多くの人に刺さって、ユーザー獲得もうまくいくと考えているからです。

例えば、周辺領域的なところで不動産とか、リフォームというのがあると思うんですけれども、人生において不動産、リフォームを本気で考える時って2、3回しかないですよね?

渋谷:たしかに、めちゃくちゃ少ない気がします。

金子:そうすると、ライフスタイル的な形のメディアにしたほうがより多くの人に使ってもらえるかなと思っていて、その中に不動産というのが自然に入れこむような作りにしたほうがいいのではないかと考えています。リミアのユーザーさんのメーンは30代中盤が中心にはなるのですけれども、20代後半から40代中盤くらいまでの方に幅広く使っていただけるようになっています。結婚、家の購入、購入した家の中の充実と、住まい・暮らし領域に関心が高い方々に長く来てもらえるようにしていきたいと思っています。

そういうところが継続率につながっていくでしょうし、領域を含めてそこのゾーンを狙っているメディアさんはそんなに多くないと思いますので、しっかり狙っていきたいです。

渋谷:今後、他社とのコラボや協業もありえますか?

金子:そうですね、お互いにメリットがあれば全然「あり」です。

渋谷:メディア同士ですと、一部コンテンツを融通しあうメデイアがありますけど、ビジネスとしてわかりやすいところでいくと、商品開発や、一緒に商品を作るとか、そういうところはあり得るかと思います。

金子:はい、コラボしていただける企業さんを大募集中です!

渋谷:それだけ言っていただいたら、本当に何件かお話が来ると思います(笑)。今日は本当にありがとうございました!これからも動向に注目しております。

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