「ヒットゲームの5年後生存率は12%」長期ゲーム運営の秘訣②ユーザーリレーションシップ〜超長期ゲーム運営サミットから〜

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グリー株式会社とファンプレックス株式会社が5月10日に東京都内で開いた「超長期ゲーム運営サミット」。大きな一発のヒットタイトルを狙う「開発」から、ヒットとなったタイトルをいかに長く遊んでもらうかの「運営」へとモバイルゲーム業界の焦点が移行しつつある中、5年以上もの長期にわたりヒットを維持し続ける「超長期運営タイトル」の運営の実際に、業界の注目が集まり、会場は超満員となりました。

長期タイトル運営者の講演からユーザーに長く愛されるゲームの秘訣を連載で探る2回目は、ユーザーリレーションシップの視点から見た運営の実際に迫ります。

<連載記事まとめ> 
第1回「マーケティング戦略」 
第2回「ユーザーリレーションシップ」
第3回「PLチューニング」
第4回「5年後生存率向上へ」

「戦国炎舞 -KIZNA- 」運営6年目を実現したユーザーリレーションシップ

[木村氏登壇スライドより]
[株式会社ポンテム代表取締役の木村航氏]

株式会社ポンテム代表取締役の木村航氏は、運営6年目に入った「戦国炎舞 -KIZNA- (リリース5周年)」のユーザーリレーションシップの実際について①CS対応の変遷②お客様に合わせた関係の築き方③当たり前のことを当たり前にーー3つの視点から紹介しました。

①CS対応の変遷

[木村氏登壇スライドより]

2013年にリリースした戦国炎舞は当初、CSの24時間対応をしていませんでした。しかし、「リリース当初の客がもっとも熱量が高く、コアなお客様になってもらえる確率が高い」(木村氏)として、CSとして24時間の体制を間もなく整えました。

さらに、リアルタイムバトルならではの問い合わせ内容を即時にキャッチアップできる態勢を整備。1日3回の「合戦」のタイミングでCSメンバーが張り付き、そこで起こったことをすぐに運営の伝える仕組みを作りました。

木村氏は「ゲーム性に応じたCSの体制をしっかり敷けるかどうかが大事。自分たちのゲーム性にあった体制かどうかを、今一度確認するべきだ」と提起しました。

②お客様に合わせた関係の築き方

[木村氏登壇スライドより]

ユーザーとの関係の築き方については、ツイッターでお客様との接点を設けようと試みたものの、内容はクレーム関係が多く、良い接点が持てなかったことを紹介。その上で、ツイッターは情報発信ツールとして活用し、コアなお客様との接点を重視した全国各地でのリアルイベントに注力していることを紹介しました。

③当たり前のことを当たり前に

[木村氏登壇スライドより]

木村氏は▽組織のトッププレイヤーが本気でユーザーリレーションの品質向上を考えているのか▽聞かれたことに率直に答えているか▽逃げの回答になっていないか▽本当に「お客様目線」になっているか(プロデューザー、運用の都合はお客様には関係ない。運用の都合を客に伝えていないか)ーーこれらのことについて再度認識をするよう提起します。

[木村氏登壇スライドより]

その上で木村氏は「今後はCX、CRM(カスタマーリレーションマネジメント)が重要になってくる。すぐに回答が欲しいお客様もいらっしゃれば、時間はかかっても丁寧に対応してほしいというお客様もいらっしゃる。お客様の生活スタイル、どういった属性でプレイしていて、どういたゲームに課金しているかなど
、お客さまに合った対応をしていくことが大事になる」と強調しました。

運営7年を迎えた今も成長を続ける「ポケコロ」の運営

[冨田氏登壇スライドより]
[ココネ株式会社の冨田洋輔氏]


ココネ株式会社の冨田洋輔氏は、運営7年を迎えた今も成長を続ける「ポケコロ」の運営の秘訣を紹介しました。

「効率よく伸ばそうなんて考えていない。」

[冨田氏登壇スライドより]

3万点以上あるアイテムで理想のかわいいを追求し、60那由多(なゆた)通りもの組み合わせを提供し、2011年から7年間、売上ランキング平均50位内を維持してきたポケコロについて、冨田氏は「効率よく伸ばそうなんて考えていない。成功につながる種だと信じ全てをかけてきた。毎年、過去最高になるよう全社で挑戦している」とまず言及。「会社の文化=考え方=戦略であり、 お客様を魅了する サービス、アイテムを出し続けることこそが長期運営の秘訣だ」と呼びかけました。

[冨田氏登壇スライドより]

その上で、具体的な取り組み例の一つとして、同社のデザイナーの位置付けを冨田氏は紹介しました。

「ポケコロが生む価値は世界で一番可愛いデザインで女性に憧れと、幸せと、癒しを提供すること。デザイナーは世界で最も人気の デジタルのお洋服(アバター)を生み出すトップアーティストであることに誇りをもち、媚びず、おごらず、魅力を放ち、スターとしての誇りを持つことが大事だ」として、ポケコロではデザイナー自らが企画を考案したり、デザイナー自身の名前で発信しています

ポケコロ・ユーザー対応は社員全員で

[冨田氏登壇スライドより]

また、問い合わせがあったユーザーのニックネームやアバターを社内の画面上で見えるようにしていることや、全社員が必ずユーザー対応する時間を設けていること、重要な問い合わせの内容を社内チャットや会社の壁などデジタル・アナログの両面を駆使して全社員が共有していることを冨田氏は紹介。

[冨田氏登壇スライドより]
[冨田氏登壇スライドより]

「9:30と17:00の1日2回30分づつ、 デザイナーもエンジニアも、企画も、バックオフィスチームも全員参加で 返信作業をしている。渋谷のアパレルショップの店員さんは、お客さんが買ってくれた洋服やどんな人なのかを全部覚えている。会社のトップだけが お客さまのことを考えている組織と、社員全員が お客さまのことを考えている会社、どちらが強くて、良い会社になると思うだろうか?」と問いかけます。

ユーザーと連携して一緒に作る

[冨田氏登壇スライドより]

「自分たちだけでポケコロを良くしようとするのではなく、ユーザーとの連携を図りながら作っていくことも重要だ」と冨田氏は強調。実際、ポケコロではユーザーが「公式サポーター」となり、困っているユーザーを助けたりすることで、ポケコロの文化をより楽しくする取り組みを運営・ユーザーが一緒に展開しています。

終盤、冨田氏は「センスでも能力でもない。自分のお客様が誰なのかを知り、世界惟一の可愛いを生み出す魅力を放つべく、全てをかける。それがココネの文化でありポケコロの戦略だ」と語りかけました。

[冨田氏登壇スライドより]
[冨田氏登壇スライドより]

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レポートは次回も続きます。どうぞお楽しみに。

<連載記事まとめ> 
第1回「マーケティング戦略」 
第2回「ユーザーリレーションシップ」
第3回「PLチューニング」
第4回「5年後生存率向上へ」