「ヒットゲームの5年後生存率は12%」長期ゲーム運営の秘訣④5年後生存率向上へ〜超長期ゲーム運営サミットから〜

ハッシュタグ
0 SHARES

超長期ゲーム運営サミット(グリー株式会社、ファンプレックス株式会社の共催)の後半では、「『5年後生存率』向上委員会vol. 1」と題したパネルディスカッションを実施。株式会社フリークアウトApp Growth Division 兼 Network Divisionなどを務める豊野桂太氏がファシリテーターを務め、4つの質問に沿って登壇者らが議論しました。

<連載記事まとめ> 
第1回「マーケティング戦略」 
第2回「ユーザーリレーションシップ」
第3回「PLチューニング」
第4回「5年後生存率向上へ」

[(左から)ファシリテーターの豊野桂太氏、 グリー株式会社釣り★スタプロデューサーの高松亘平氏、ファンプレックス株式会社執行役員の佐藤洋祐氏、ファンプレックス株式会社執行役員の遠藤圭太氏、株式会社サムザップ戦国炎舞-KIZNA-プロデューサーの大森達也氏、ココネ株式会社の冨田洋輔氏]

①最近力を入れているプロモ施策や手法は?

[サムザップの大森達也氏]

サムザップの大森氏は、地方でのプロモーションに注力していることを紹介。「お客様とお客様の繋がりで成り立っている側面が大きく、そういったお客様がより友人にすすめたくなったり、すすめた時に話題になりやすいよう地方を軸にプロモーションをやっていくことは多々ある」と語りました。

[ココネの冨田氏]

ココネの冨田氏は▽テレビCM▽広告出稿の内製化ーーの2点を紹介しました。特に毎年テレビCMに注力する理由として冨田氏は①幅広い年代層が利用する中で特に年齢が上のユーザーに刺さる②アプリのリテンションに効く③採用に効くーーの3点を提示。「テレビCMはできるプロダクトとできないプロダクトあると思うが、できるプロダクトの時はすごく効く。毎年全社を上げて節目としてやってきた」と意義を強調しました。

広告出稿の内製化について冨田氏は「ツールが発達してきたのが大きい。自分たちでトレーディングデスクを持って内製していくことで(自社に)ノウハウもたまっていく」と指摘。「グーグルやフェイスブック、ツイッターといったアプリマーケティングの獲得流路のうち、重要な媒体だけ自分たちでトレーディングして、あとは広告代理店さんのノウハウを借りるやり方をしていくのが良いのではと思っている」との考えを述べました。

②長期運営する上でなるべく削らないようにしているコストや、逆にコストを上げてでも絶対に守るべきものは?

[グリーの高松氏]

グリーの高松氏はサーバー費用節減と、サービスの質を保つためのテストやカスタマーセンターの費用の適正化に取り組んだことを紹介。新たなイベント作成やユーザービリティ向上、プロモーションといったユーザーに新たな体験を提供するためのチャレンジコストを確保するためにも、「いかに定常的な費用を削減するかというところが大事」としました。

ファンプレックスの佐藤氏も同様にQA(品質保証)費用を確保する重要性を指摘。クオリティを確保するために初期に費用をかけてでもやるべきところではやるべきとしました。

[ファンプレックスの遠藤氏]

QA費用の確保に関連してファンプレックスの遠藤氏は、長期運営メソッド「Reborn」を紹介。短期的には赤字になってもコストをかけて改善する取り組みとして、「ゼロイチでユーザーを獲得するのは非常に困難だが、長期運営しているタイトルはすでにユーザーとのロイヤルティがすでに構築されている。ここに適切なコストをかけるほうが、より大きなリターンが返せる」と狙いを強調。金額的なコストだけでなく、プロジェクトに関わる人の「質」を意識しているとして、元プロデューサーや元ディレクター、エンジニア、マネージャー、アートディレクターといった各タイトルのエース級の人材を短期的に投入し、一気に課題を改善する取り組みをしていることを紹介しました。

③お客様からのご指摘・要望からゲーム内に取り入れたもので、画期的だったものは?

ココネの冨田氏は、ご愛顧いただいていたお客様から「ポケコロ使っているが、ログインするたびにいつも同じメッセージが出ている」との指摘を受けて、ログインした瞬間から特別なメッセージを明確に出していることを紹介しました。

[ファンプレックスの佐藤氏]

ファンプレックスの佐藤氏は、お客様の声を集める方法として海外でライングループを活用していることを紹介。ユーザーとコミュニティマネージャーが入っているライングループで日々やりとりすることで、施策の投入時には一気に声が集まり、それに対しマネージャーが英語で返答しているとしました。さらに、コミュニティーの中で一番発言をしていたユーザーがファンプレックスに入社したエピソードも明かしました。

④長い運用暦の中で最も大きな苦難・障壁と、その対処方法は?

[ファシリテーターの豊野氏]

高松氏は、釣り★スタ運営開始から4、5年目に売上が厳しかった時に、当時のプロデューサーがレイドモデルやガチャモデルのエッセンスを打開策として取り入れたことで、上昇に転じたことを紹介。ゲームの世界観を壊さずに新しいモデルを入れたことで、売上、ユーザーともに再成長軌道に乗りました。高松氏は「(ゲームの)モデルが古くなったときにどう対処するかは重要。世の中のモデルを参考にしながら、そのままではなくて、エッセンスをしっかり取り入れることが大事だ」と強調しました。

ココネの冨田氏は、「毎年いかにして新しいことをしていくか」という超長期ならではの悩みを打ち明けました。桜の季節を事例に上げた冨田氏は、1年目はそのまま桜でいけるが、2年目以降もその繰り返しではダメであることを指摘。デザイナー自身が乗り越えたり、体制を変えてつくり方を変えたりしながら、王道は守りつつも新しさを見出すために、トレンドも考慮しながら体制を変えながら取り組んでいることを紹介しました。

[超満員だった超長期ゲーム運営サミット]

App Ape Lab編集部では今後も特色あるセミナーの知見をご紹介していきます。どうぞお楽しみに。