PayPay「100億円キャンペーン」の効果をオルタナティブデータから探る ユーザーやモバイル決済市場への影響は?

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スマホ決済アプリ「PayPay(ペイペイ)」の100億円キャンペーンの第2弾が5月13日に終了しました。

キャッシュレス経済の中でも、特にモバイル決済に大きく世の中の関心が集まった一連のキャンペーンは、マーケティング施策としてアプリの利用やモバイル決済市場にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積するビッグデータから探りました。

【PayPay】100億円還元キャンペーン10日間で終了、利用者は前月比48倍に

第2弾100億円キャンペーン、ついに終了

[PayPay公式サイト(https://paypay.ne.jp/promo/10billion-campaign/)より引用]

2月12日に開始したPayPay第2弾100億円キャンペーンは、およそ3カ月後の5月13日に終了しました。

当初は5月末までの予定でしたが、キャンペーンの付与総額が100億円に到達したため、終了日が前倒しとなりました。

参考・2019年5月13日・PayPay株式会社プレスリリース「第2弾100億円キャンペーン」の終了について

2018年12月に実施した第1弾と第2弾の両キャンペーンの大きな違いは、決済1回あたりの上限額です。

第1弾キャンペーンでは、1カ月当たりの付与総額に5万円という上限はあったものの、決済単位の上限はなかったため、一度に1000円以上のキャッシュバックも可能でした。

第2弾キャンペーンでは買い物1回あたりの付与金額の上限を1000円としました。

キャンペーン前後のユーザーの推移は??

第1弾キャンペーンの開始前から、第2弾キャンペーンの終了後までのPayPayの日間利用者数(DAU)の推移を見てみましょう。

[データ元: App Ape(国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

第1弾では、2018年12月のキャンペーン開始と同時に一気にDAUが数十倍規模に増加。キャンペーン終了後のDAUは、キャンペーン期間中の3割程度で推移していました。ただ、キャンペーン前に比べると4〜6倍となっており、ユーザー獲得に成功した上に、リテンションも一定程度確保している様子が伺えます。

実際、アプリの所持者数の推移を見ると、キャンペーン終了後も数値はほぼ横ばいか微増を維持しており、ユーザー獲得が継続しています。

[データ元: App Ape(国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[推定所持ユーザー:そのアプリの対象期間におけるApp Apeのパネルユーザーのうち、そのアプリを月末時点で所持しているユーザーの割合 × 日本のAndroid利用者数]

フラー株式会社が開いたApp Ape Award 2018のセッションで、登壇したヤフー株式会社の小林貴樹氏は、第1弾キャンペーンをKPIが「ユーザー獲得」であると指摘しており、狙いと結果が見事に一致している様子がデータからも伺えます。

参考・App Ape Award 2018 分散か集約か。ヤフー・Gunosyが語る、プラットフォーム化と今後の戦略

さらに、今回の第2弾の期間中のDAUを見ると、キャンペーンを通じて全体が底上げされ、キャンペーン終了後も安定したDAUを獲得していることが分かります。

具体的には、第1弾キャンペーン終了後(18年12月下旬)と第2弾のキャンペーン終了後(19年5月中旬)のDAU数を比較すると、およそ6倍に増加していました。

アクティブユーザーを底上げしたことで、短期的な利用にとどまらず継続的に利用するユーザーを増やすことに成功したようです。小林氏は第2弾のキャンペーンのKPIを「決済回数を増やすこと」と紹介しており、実際の狙い通りの結果となりました。

どんなユーザーが使っているのか??

PayPayを同時所持している確率が高いアプリは、以下のとおりです。

[データ元: App Ape (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[同時所持:対象アプリと同時に所持されているアプリ]

PayPayユーザーの多くは「Origami」や「LINE Pay」などの他のスマホ決済アプリを同時所持しているようです。ユーザーはキャンペーンや還元率、利用可能な店、利便性などを考慮し、複数のアプリを使い分けている様子が垣間見えます。

競合アプリ間のユーザーの激しい奪い合いが起きているスマホ決済業界の熾烈な争いがおきているようにも読み取れます。たしかに、一面では競争は起きているのですが、データから見える実態は少し異なります。

PayPayのマーケティングの成功は業界全体の底上げに寄与

PayPayがローンチされた2018年10月以降のストアランキング上位に位置する決済専門7アプリ(Kyash、Origami、モバイルSuica、楽天ペイ、d払い、PayPay、おサイフケータイ。いずれもAndroidのみの集計)の月間利用者数(MAU)の推移を見ると、PayPayだけでなく、他のアプリもユーザーを大きく伸ばしていることがわかります。

[データ元: App Ape (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

2019年4月の7アプリの総MAUは18年10月の2.9倍に伸長。PayPayの一連のマーケティング施策を引き金にモバイル決済への認知が高まり、自社アプリのユーザー獲得だけでなく、業界全体の底上げにつながったようです。

モバイル決済は急成長、メガアプリの動向にも注目。

PayPayの第2弾キャンペーンは5月13日に終了しましたが、5月8日から通常時のポイントキャッシュバック比率が0.5%から3%に引き上げられたほか、6月以降からも毎月、新しいキャンペーンが打ち出される予定です。

メガアプリの動向にも関心が集まります。LINE Payは300億円を還元するキャンペーンを展開。セブン-イレブン・ジャパンは、7月から新モバイル決済サービス「セブンペイ」を始めます。

ユーザー規模が大きなサービスが本腰を入れ始めたモバイル決済。今後のPayPayの利用状況の変化はもちろんのこと、各アプリの動向や施策にも要注目です。

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App Apeでは以上のようなアプリに関するデータを毎日更新しています。無料登録で一部のデータをすぐに確認することが可能です。

アプリの利用ランキングや他のアプリのアクティブユーザーの動向などを知りたい方は、お気軽にこちらのApp Apeの無料版からお試しください。