「全ての営みはミッションドリブン」dely執行役員・野村知己さん 急成長するクラシルを支えるマーケティング哲学とは?

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dely株式会社が手がけるレシピ動画サービス「クラシル」。アプリ分析プラットフォーム「App Ape」で集計するアプリの利用データを見ると、30代女性を中心とする女性ユーザーの支持を背景に成長し続けています。

急速な成長を支えるクラシルのマーケティングを統括するdelyの執行役員・野村知己さんは、日々どのようなことを考えながら意思決定やマネジメントをしているのでしょうか。

アプリのマーケティングについての考え方や注力していることについて伺いました。(敬称略)

データは毎日見るのは当たり前。自らの足を動かし一次情報を取りに行くことを重視。

dely株式会社
野村知己氏
執行役員

プロフィール:2009年九州大学卒業後、インターネット広告代理店に新卒入社。アプリに特化したソリューション事業を責任者として立ち上げ、大手企業を中心にコンサルティングを行う。2018年1月よりdelyにジョインし、オンライン/オフライン問わずマーケティング全般を統括。2019年4月よりマーケティング担当執行役員に就任。Twitter:@nounashi___

ーーマーケティングを統括する立場として、様々なデータや情報に日々接触してるかと思います。その中で特に重視している情報は何でしょうか?

野村:MAUやDAUといった「ユーザーにどれくらい使ってもらっているのか」を測る指標に関しては、当たり前ですが毎日必ず見るようにしています。
加えて、アプリ内の動画閲覧、検索、お気に入りといった主要な機能の利用状況や、週に何回アプリを開いたのかといったユーザーの定着具合を測る指標もチェックしています。

日々のデータからすぐに離脱するユーザー、継続して利用するユーザーのそれぞれの違いやそこに至る原因などを見て、次に打つべき施策の意思決定をしています。

こうした自社アプリのデータに関する情報は自由に取得できるので、当たり前のようにデータチェックは行いますが、自社では知り得ない情報や事例などを集める際に大切にしているのは「一次情報を取りに行く」ということです。

ーーどうして一次情報を重視するのですか?

野村:情報の鮮度、精度ともに高いからです。

記事などの二次情報と呼ばれるものは情報の取得効率がいい一方、記事を出すまでの間に情報の鮮度が落ちていたり、核心的なことにまでは触れられていないこともよくあります。一次情報を取りに行くのはアポイントを組んだり足を運んだり、と手間もかかることもありますが、その場でしか聞けない話を聞くこともできますし、何より情報の鮮度が高いですね。

鮮度・精度の高い一次情報は、マーケティング成功の重要な要素です。チームのメンバーにもこのことを意識し、実際にアクションを起こすよう言い聞かせています。

ーーサービスに関するユーザーの反応などの情報はどのようにチェックしていますか?

野村:「クラシル」というキーワードを含むツイッターのツイートやSNSの投稿はすべてチェックしています。アプリストアのレビューも、毎日全部見ています。

サービスのKPIに関連する各種数値については、社内で簡易的なダッシュボードを作ったり、社内チャットで情報を共有する仕組みを作ってチェックしています。細かなKPIは個別担当者を中心に数字を見てもらうようにしています。

アプリに限らずSNSなどにおいても、コンテンツの反応や、レシピへの反応、体験の良し悪しは、数値に表れるので、KPIを追うマーケティングの部署のメンバーには、毎日数値を見るように口酸っぱく言っていますね。

「ゲームチェンジができる施策をきちんと考える時間」を確保する

ーーサービスを成長させるため、どんなことを意識していますか?

野村:短期的な目標と長期的の目標のバランスを取ることを意識しています。

足元のアクションを重視して連続的な成長を図る一方で、一瞬で圧倒的な非連続成長ができる施策、僕らはそれを「ゲームチェンジができる施策」と呼んでいますが、各部署のメンバーなりトップなりがゲームチェンジができる施策をきちんと考える時間が確保できるようにすることも意識しています。

ーーチームが大きくなるとどうしても色々な問題が出てきますが、どんなことを考えてチームのマネジメントやハンドリングをしていますか??

野村:delyはOKRに似た目標設定の仕組みを採用していて、全社の事業計画をもとに各部署、メンバーの目標が全てが階層構造になるようにしています。

参考:OKRとは?カオナビ人事用語集

マネジメントとしては、期初の目標設定のタイミングで個々のメンバーの目標が部署や会社の目標にきちんとつながっているかをみます。

どんなに組織で細やかな仕事をしている人でも、会社のKPIにつながっていない業務をしてしまっていては、全く意味がありません。これは、そのメンバーの責任ではなく、上司の責任です。会社や組織が目指すベクトルをきちんと合わせて一つの目標につなげていくことはすごく意識しますね。

また、ゴールがどこにあるのかわからないと、手段が目的化してしまうことがあります。

そこも注意深く見て、ゴールをしっかり見据えてハンドリングするようにしています。

ーーマネジメントをうまくやっていくための工夫はありますか??

野村:今まさに試行錯誤しながら取り組んでいるのが現状ですが、チームのリーダー陣がそれぞれのメンバーへのマネジメント意識を持ってもらうことは大切だと思っています。

最初はマネジメントできているか細かくチェックすることもありますが、ある程度時間が経ったら、チームリーダーが自分たちで意識してマネジメントしてもらうことが重要です。でなければ、組織の拡張性がありません。僕はそこを俯瞰して見る役割です。

迷ったら「ミッション」に立ち戻る

ーーマーケティングで迷った時に立ち戻る原点は何でしょうか?

野村:やはり、「80億人に1日3回の幸せを届ける」という、delyのミッションに尽きます。僕たちがクラシルというサービスを通してユーザーに提供したい価値は、この言葉にすべて込められています。

上記のミッションはあえて大きいものに設定しているんですが、身近な施策としては少し遠いところにあるゴールなので、普段はミッションをブレークダウンした「目指すべき今」の状態を描き、そこから逆算した上で施策がフィットしているかどうかを注意して見るようにしています。

そういう意味で、幸せを届ける先であるユーザーの方の声を聞くのは、原点に立ち戻るための一つの具体的な施策でもあると思っています。

ーーユーザーの声を聞く、ですか?

野村:はい、オフラインで直接ユーザーの声を聞くことができるユーザーヒアリングには、かなり注力しています。 クラシルをすでに使って頂いているユーザーだけでなく、まだ使ったことがないユーザーにも話を聞きます。クラシルがどんな価値が提供できるのかを定性的に見るためです。

ユーザーから聞いた声は、これからのクラシルの価値を高めるためのアイデアを練るのに生かされます。

ーースマホユーザーが数多く集まるSNSはどのように活用していますか?

野村:SNSは、いわゆるオウンドメディア以外の場所で、ユーザーとの接点を作るための場所と定義しています。メディアによって特性が異なるので、それぞれに求める目的もまた異なってきますが、レシピを探す、何を作ろうか迷ったときに「クラシル」というサービスが一番に浮かぶような状態を作りたいと思い、試行錯誤しながらSNSに継続的にコンテンツを投入しています。

Facebook、Twitter、Instagramはサービス開始時から注力して運用してきましたが、最近はTikTokなんかも運用を開始しました。クラシルは 公式認定を受けているので、通常の15秒よりも長尺の60秒の動画を投稿できます。ちょっと前にはエイプリルフールに投稿した透明ハンバーグやミニチュアサイズのハンバーグを作る動画がかなり伸びました。

[TikTokクラシル公式より]

全ての営みはミッションドリブン

ーーdelyにとってアプリマーケティングとは何なのでしょうか?

野村:僕らにとってアプリマーケティングは、クラシルのミッションを達成するための手段の一つです。

例えば、クラシルはアプリ主体でグロースしてきているように見えるかもしれませんが、SNSも強いですし、Webもかなり伸びてきています。トータルバランスの中でのアプリという立ち位置があるんです。

もちろん、アプリが一番顧客のエンゲージメントも高いですし、SNSもプラットフォームに依存するので、アプリの重要性に何ら揺らぎはありません。

ただ、幅広いユーザーにサービスを知ってもらって、使ってもらうためにも、アプリを含めたトータルでの設計がすごく重要なフェーズにきていると考えています。その意味で、SNSを含め様々なチャネルを持っておくことは重要だと思っています。

ーー今後のマーケティング施策でどんな点に注力したいとお考えですか?

野村:ありがたいことにクラシルは非常に多くのユーザーにも使っていただいていますが、現状の延長線上の施策をうつだけでは非連続的な成長を生み出すことはできません。

全部署のトップが考えなければいけないことですが、マーケティングの部署も当然その一つとして、非連続的な成長を生み出す施策を考え続け、実行していかなければなければなりません。

いずれにしても、すべての営みはミッションドリブンであり、「ユーザーにどんな価値を提供できるか」という点が根底にあります。そこに向かって僕たちが何ができるかをしっかり考えていき、delyという会社が世界により大きなインパクトを与えられるようになっていきたいと思っています。

クラシルはまだまだ成長途上のサービスなので、これからまたアクセルを踏んでいくフェーズに入っていきますし、delyという会社も、どんどん新しい事業にチャレンジしていきます。一方で、それを支えるマーケティング組織では、主要ポジションが数多く空いており、優秀な仲間を常に求めています。いまのdelyは、非常にチャレンジングで成長性の高い環境を提供できると思います。

様々な職種で募集していますので、「食」という大きな課題で仕事をしてみたい、チャレンジングな環境で大きな裁量を持って働きたい、といったモチベーションをお持ちの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

https://www.wantedly.com/projects/353795
※こちらにマーケティング部門の募集ポジションをまとめています

レシピ動画サービス「クラシル」:https://www.kurashiru.com/

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