動画系アプリが”受け皿”に。アプリ利用の変化から見たコロナウイルスの影響

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こんにちは。App Ape Lab編集長の日影です。

世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスは、現代の人間活動の「映し鏡」であるスマートフォン(スマホ)アプリの利用動向にも大きな変化をもたらしています。

今回はアプリ分析プラットフォーム「App Ape」で蓄積するデータをもとに、コロナウイルスの感染拡大が顕在化する中、人々の関心がどう揺れ動き、実際にアプリ内の人間行動として表れているのかについて探りました。

アプリ利用の「変化」を可視化

アプリ分析プラットフォーム「App Ape」で取得しているデータからアプリの利用ユーザーが急激に増加したり減少したりといった「変化」の度合いを独自に集計し、ランキング形式で提供しているのが、App Apeの「トレンドランキング」です。

App Ape Lab・2017年10月31日:スマホアプリ分析ツール「App Ape」にトレンドランキング機能を追加!赤丸急上昇アプリがすぐ分かる

週間トレンドランキング(2020年2月24日〜3月1日)で急伸したアプリは

[データ元: App Ape (国内数万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[WAU (Weekly Active Users):そのアプリの対象期間における、週間アクティブユーザー数で、週に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

コロナウイルスの影響が顕著となった2020年2月24日週(2020年2月24日〜3月1日)の週間利用者数(WAU)の増加率が」最も高かったのはNTTドコモの「ショップアプリ for DS」。以下、「マチコミメール」「31cLub」「焼肉きんぐ公式アプリ」「ゆうちょPay」「ポケコロ」「いきなりステーキ公式アプリ」「System Update」「MyJCB」「西日本シティ銀行アプリ」と続きました。多くの企業が給料日を迎えた週であったことから、金融系のアプリもいくつかランクインしました。

注目すべきアプリは、2位の「マチコミメール」です。前週に比べ103.6%増と大幅な伸びを記録しました。マチコミメールは保育園や学校の情報を保護者に配信するのが主な機能となっている連絡帳アプリです。

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、2月27日に安倍晋三首相が全国の小中高校の休校を要請したことから、保護者と学校運営者の間で相当な混乱と情報のやり取りがあったことがマチコミメールのトレンドランキング入りから伺えます。

エンタメ動画系アプリが急伸、平日も休日並みの利用で過去最高続出

データを丹念に読み解くと、新型コロナウイルスに伴うイベント中止や外出自粛により利用が伸びているジャンルを発見しました。”エンタメ動画系アプリ”です。

主要な動画系アプリ(対象はAndroid、DAUが一定規模以上のアプリを編集部が抽出)を対象に、コロナウイルスの影響が顕在化する直前の平日(2月25〜28日)の平均DAUと29日〜3月16日のDAUを比較したところ、多くの動画系アプリが過去最高のDAUを記録したり、平日にもかかわらず普段の休日並みかそれ以上の視聴(利用)があったりしていることが分かりました。

[データ元: App Ape(国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

エンタメ系動画アプリの中でも利用増が際立つのはAbemaTVです。平日にもかかわらず、休日並みかそれ以上の利用が続いています。特に3月1日と8日は平日平均(25〜28日)の1.4倍を記録しました。

AbemaTVによると、オリジナル番組を中心に放送している「AbemaSPECIAL」チャンネルでは2月29日以降、視聴者数が前週比10~30%増で推移。中でも特に若年層を中心に人気の恋愛リアリティーショー「月とオオカミちゃんには騙されない」「今日、好きになりました。」の視聴が増加しているとのことです。

AbemaTVオリジナルドラマの「僕だけが17歳の世界で」や「アニメチャンネル」、「韓流・K-WORLDチャンネル」の視聴者数も増加しているほか、報道枠の「AbemaNews緊急チャンネル」をコロナ報道専用チャンネルとして、コロナウイルスに関するニュースを放送。幅広いジャンルでコンテンツを放送していることが奏功し、ユーザーが集まっているようです。

[AbemaNews緊急チャンネルより]

YouTubeは伸び率そのものは他のエンタメ動画系アプリに比べ小さいものの、母数が大きいため、わずかな伸び率でも実際の利用者の増加幅は大きくなります。YouTubeは週末を中心に一気に利用が急伸し、3月8日にはApp Apeが現在の方式で集計を開始して以来最高のDAUを記録しました。

アマゾンのプライムビデオは平日も休日並みに視聴があります。特に週末に利用が急増し、プライムビデオも3月8日にApp Apeが現在の方式で集計を開始して以来最高のDAUを記録しました。同様にTVerも15日に集計を開始してから最高のDAUとなりました。

GYAO!は平日も休日並みに利用があり、特に土日に急増しています。ニコニコ動画、Netflixも日によってばらつきはありますがそれぞれ利用を伸ばしています。

このように、数多くのエンタメ動画系アプリが余暇時間の受け皿としてユーザーを集めている様子がデータから浮き彫りになりました。

エンタメ領域で広がるユーザーの余暇時間の“受け皿”

エンタメ領域のアプリやサービスでは、コロナウイルスに伴う休校や外出自粛でトレスフルな生活が続く中、自宅などでの余暇時間を有意義に過ごしてもらおうと、さまざまな仕掛けを用意します。

①AbemaTV:さまざまなアニメ関連作品の特別番組を一挙放送

[Abema TIMESより]

AbemaTVは新型コロナウィルスの影響で多くのアニメイベントが中止となったことを受け、「Abemaアニメチャンネル」で3月21日(土)と22日(日)の2日間、さまざまなアニメ関連作品の特別番組を一挙放送するスペシャルな2日間『AbemaTVアニメ最新情報大公開SP』を実施。様々なアニメ、ゲーム関連の豪華出演者やスタッフが登場し、作品の最新情報や魅力を紹介します。新型コロナウイルスの影響で中止になったライブについても、AbemaTVで18日18時から緊急特番として生放送します。

Abema TIMES・2020年3月17日公開:アニメファンに贈る2日間『AbemaTV アニメ最新情報大公開SP』番組ラインナップ&タイムスケジュール

②Hulu:ドラマなど一部コンテンツを無料で開放

[Hulu公式サイトより]

Huluは、オリジナルのドラマやバラエティー番組を中心に一部のコンテンツを3月31日まで会員登録不要で無料開放しています。

[データ元: App Ape(国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

サブスクリプション動画サービスの中でも思い切った取り組みを展開することで、HuluのDAUは6日以降、25〜28日の平均DAUに比べ36~97%増を記録しています。

Hulu公式サイト・Huluで配信している 日本テレビの人気ドラマやバラエティ100作以上を 3月6日(金)から3月31日(火)まで無料配信

③Amazonプライムビデオ:キッズ向け動画を無料提供

[Amazon Prime Video公式サイト より]

Amazonのプライムビデオもキッズ向け動画を4月5日まで無料で提供。休校を余儀なくされる児童らに自宅で楽しく時間を過ごしてもらうことを目指します。

Amazon Prime Video公式サイト:期間中、キッズ向けコンテンツの一部をすべてのAmazonのお客様に無料で配信。

データから見えた”人間の息遣い”

スマホアプリのインフラ化に伴い、ここ数年でアプリの利用データが持つ意味は確実に変わりつつあります。

アプリの利用動向のモニタリングは、単に関心のある競合他社などの個別アプリの情報を収集するだけでなく、世の中の経済活動を含むあらゆる事象の徴候や次の一手を発見するのに役立つようになりました。

コロナウイルスの一日も早い終息を祈るとともに、アプリの利用データの変化を引き続き注視していきたいと思います。

App Apeはアプリのデータを毎日更新しています。

App Apeは、蓄積するスマホアプリのユーザーの利用データからマーケティングやビジネスの施策のヒントを発見するためのSaaSです。

日間利用者数(DAU)、週間利用者数(WAU)、月間利用者数(MAU)の各ランキングや各アプリの時間帯別利用率、性年代別割合、1日あたりの起動回数、同時所持率が高いアプリ一覧などををいつでもPCやスマホから確認できます。

マーケティングやビジネスのヒントについて新たな視点や切り口で情報が欲しい方、App Apeをもっと詳しく知りたい方はこちらからお気軽にお問い合わせください(お問い合わせにはApp Apeの無料登録が必要となります。登録は1分程度で完了します)。