コミックアプリ、外出自粛で利用急増【データで見るコロナウイルスの影響】

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こんにちは。App Ape Lab編集長の日影です。在宅勤務をしながらこの原稿を書いています。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請が全国に広がった結果、在宅勤務や休校による自宅待機を余儀なくされたりするなどで多くの人々が“巣篭もり生活”に突入しています。

通勤・通学時間が実質的にゼロとなり、外部の人間との直接の接触が絶たれた現在、人々の可処分時間の受け皿となっているジャンルの一つが、“マンガ・コミック”です。

アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」によると、人々の巣篭もり生活の受け皿としてコミックアプリの利用が急拡大していることが見えてきました。

App Apeで蓄積するデータからコミックアプリ利用の変化を読み解き、コロナウイルスの影響が深刻化する中での人々の生活動向の一端を探りました。

緊急事態宣言から2週間、コミックは人々の受け皿に

Androidの一定規模以上のコミックアプリを対象に、2020年1月15日〜2月15日をコロナウイルスの影響が深刻化する前の“平時”とした上で、平時と対象期間の平均日間利用者数(DAU)の増減率をApp Apeで集計しました。

利用時間については、Androidの一定規模以上のアプリを対象にユーザーの利用時間と1MAUあたりの平均利用時間を2020年1月と3月で比較しました。なお、iOSの数字は含まれていません。

アプリごとの利用時間は、アプリデータの評価・実験フィールド「App Ape Alpha」で全ユーザーを対象にα版として提供しています。ご覧ください(閲覧にはApp Apeの無料登録が必要となります。登録はこちらからどうぞ)。

App Ape Alpha、全ユーザーに公開 第一弾は「アプリ滞在時間」〜モバイルデータの実験・評価フィールドへ〜

3月のコミックカテゴリー全体の合計利用時間を見ると、1月に比べ5.9%増加、1MAUあたりの利用時間でも4.9%増となりました。

[データ元: App Ape (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

合計利用時間、1MAUあたりの利用時間の双方のデータが増加傾向にあるということは、アプリの利用者のボリュームが増えていることに加え、個々のユーザーがよりアプリに熱中したり深く利用したりと“使い方”に変化が生じていることを意味します。

出版社系のアプリのDAUが急伸

コミックカテゴリーの緊急事態宣言以降の平均DAU増加率上位10アプリ(4月8〜20日)は次の通りです。

[データ元: App Ape(国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

1位は集英社の「ゼブラック」で平時に比べ267.2%増と急伸。以下、小学館の「サンデーうぇぶり」(41.4%増)、集英社の「少年ジャンプ+」(30.3%増)、白泉社の「マンガPark」(15.3%増)、集英社の「マンガMee」(12.9%増)と続きました。

App Apeの有料版ユーザーは、各アプリのリンクからダッシュボードの各種データを直接ご覧になれます。最新の利用者数ランキングはこちらからどうぞ。

出版社系のコミックアプリが上位を中心に数多くランクインしており、大きく利用が伸びていることがわかります。

コロナウイルスの感染拡大防止に向けた全国一斉休校を受け、出版各社は3月、ウェブやアプリで雑誌やマンガの一部無料公開を実施。特に集英社は「週刊少年ジャンプ」、小学館は「週刊少年サンデー」とそれぞれの旗艦の少年マンガ週刊誌を相次ぎアプリ上で無料公開しました。

その結果、3月のマンガアプリの平均DAUは出版社系を中心に大きく増加したと筆者は見ています。

主要コミックアプリの3月(一斉休校)、4月1〜7日(緊急事態宣言直前)、4月8〜20日(緊急事態宣言以降)の平均DAUは以下の通りです。

[データ元: App Ape(国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

4月に入ってからも上位の出版社系のマンガアプリの平均DAUは高水準で推移。緊急事態宣言以降はさらに全体的に一段水準が上がりました。休校の延長に加え、全国的な外出自粛の広がりが利用増に拍車をかけたと筆者は見ています。

巣篭もりモードの読者に各社がコンテンツを提供

“巣篭もりモード”に入った人々に良質なコンテンツを提供しようと、各社はコンテンツの一部無料公開を継続して実施しています。

このうち集英社は4月9日から、「ゼブラック」で一部無料公開中の『ONE PIECE』『BLEACH』『NARUTO』『BORUTO』『ハイキュー!!』『Dr.STONE』6作品について、5月6日まで無料公開期間を延長しました。

小学館は4月17日から「名探偵コナン」を5週連続で順次無料公開する「コナン祭り」を「サンデーうぇぶり」で開始。子供から大人まで幅広いファンの心をとらえ、外出自粛の受け皿としてのアプリの役割を果たします。

社会に提供できる価値をあらめて見つめ直す

出版社系のコミックアプリは、長い歴史に裏付けされた豊穣なコンテンツを土台に、コロナウイルスによる外出自粛を強いられる人々の受け皿となっていることがデータから垣間見えました。緊急事態宣言が全国に拡大する中、いずれのコミックアプリも今後さらにニーズが高まっていく可能性があります。

コミックアプリ全体に通底しているのは、コンテンツの価値と役割を認識し、社会情勢に応じた形で提供することで社会に貢献しようという姿勢です。

企業や個人を問わず、コミックアプリのように厳しい状況下で自らが社会に提供できる価値をあらめて見つめ直すことが求められていると筆者は感じています。

一日も早いコロナウイルス の終息を願いながらアプリのデータから見える社会の有り様を発信することで、データを蓄積する企業の一員として貢献ができればと思います。

App Apeではアプリに関する様々なデータを毎日更新しています。

無料版では、日々の利用情報ランキングや大きな動きがあったアプリを紹介するトレンドランキング、主要SNSアプリの利用情報、各アプリのストア情報のサマリーを見ることができます。アプリの最新動向や人気をウォッチしたり調査したりする方法を探している方におすすめです。

まずは無料版で日々のアプリチェックやベンチマーキングにApp Apeのお気に入り機能をフルにご活用ください。