緊急事態宣言で利用が急増したアプリの傾向とは?【米国の場合】

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こんにちは。App Ape Lab編集長の日影です。

新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより、人々の生活は大きく変容し始めています。特に感染者数が多い米国では、ドナルド・トランプ大統領が非常事態を宣言した3月13日以降、外出禁止とする州が相次ぎ、全米の8割が外出制限下に置かれました。人々の生活や行動の制約はもちろんのこと、米国の失業保険申請件数が過去最高に達するなど、経済への極めて深刻な影響が広がっています。

アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積するアプリの利用動向データからは、スマホアプリが日本以上に人々の生活インフラとなっている米国におけるユーザー行動の変化が浮かび上がってきました。

非常事態宣言後の3月13日以降、米国で利用が急増したアプリの傾向から、コロナウイルスの長期化によって変容する人々の生活実態を探りました。

外出禁止令でコミュニケーションアプリ利用が歴史的増加

App Apeで蓄積する米国のAndroidのデータを対象に、コロナウイルス の影響が深刻化する前の2020年1月の平均DAUと、トランプ大統領が全米に非常事態を宣言した3月13日以降の平均DAUを比較し、特に伸びが著しいアプリを抽出。その傾向を探りました。なお、一定の規模以上のアプリを抽出しました。

1月に比べ利用が急増しているアプリは以下の通りです。

[データ元: App Ape(米国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

外出制限という物理的な人の移動の制約により大きく伸びたのは、人と人とをつなぐ“ビデオコミュニケーションアプリ”です。

最も伸び率が高かったオンラインミーティングアプリの「ZOOM」の対象期間(3月13日〜4月4日)の平均DAUは、1月に比べ実に800%増と急激に利用が増加。App Apeが現在の方式で調査を開始して以来、過去最高を記録しました。Appstore、GooglePlayのストアランキング(無料)でも非常事態宣言以降、上位に位置しています。

[データ元: App Ape(米国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

2016年にローンチして若者の間で流行した後、利用が伸び悩んでいたオンラインビデオチャット「Houseparty」は207%増となり、数年ぶりにストアランキング1桁台まで急進しています。

参考記事:DIGIDAY2019年1月10日公開・人気チャットアプリの栄枯盛衰、「ハウスパーティ」のいま : Facebookとの攻防戦

[データ元: App Ape(米国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

2016年にローンチしたコミュニケーションアプリ「Marco Polo」も76%増と急伸しており、複数でビデオチャットができるアプリが軒並み利用が急増した形です。

人と人との直接のふれあいの場が断たれても、社会生活を営む以上、人間のコミュニケーションの必要性は変わりません。ビジネスはもちろんのこと、家族や友人との対話やオンラインセミナーなどアプリを通じたコミュニケーションが活性化している様子がうかがえます。

ビジネスコミュニケーションツールも利用増

外出制限で物理的に人間同士が対面で会うことができなくなった結果、ビジネスのあり方も大きく変わっています。象徴的なのはビジネスコミュニケーションツールです。

マイクロソフトのビジネスコミュニケーションツール「Microsoft Teams」の対象期間(3月13日〜4月4日)の平均DAUは1月に比べ107%増と急増。4月3日にはApp Apeが現在の方式で調査を開始して以来最高のDAUを記録しました。「Slack」も同様に27%増と確実に増加しています。

国土が広いことからオンラインでのビジネスコミュニケーションが日常的に行われていた米国でも、外出制限に伴うリモートワークの増加の影響は大きく、アプリの利用にも反映されている形です。

教育も敏感に反応、早い段階で整備

教育現場も変化にしようと、アプリ活用を積極的に活用している様子が浮かび上がってきました。

グーグルが手がける学習支援アプリ「Google Classroom」の対象期間(3月13日〜4月4日)の平均DAUは1月の平均DAUに比べ69%増加。オンライン学習により学力の維持を図る取り組みが現場で加速しているのがわかります。同様に学校向けのコミュニケーションアプリ「Remind」は59%増、オンライン学習アプリ「ClassDojo」は55%増と伸びています。

情報収集のニーズ高まる 身近な地域情報にもニーズ

情報収集の観点では、日本発のニュースアプリ「スマートニュース(SmartNews)」の対象期間(3月13日〜4月4日)の平均DAUが1月の平均DAUに比べ63%増加。米国のGooglePlayニュース&雑誌カテゴリランキング(無料)で2位に位置しています。同カテゴリ1位の「News Break」の利用も伸びており、人々がコロナウイルス関連のニュースを頻繁に見るようになったことは容易に想像がつきます。

外出制限により行動範囲が自宅の周辺に限定される中、地域の情報をアプリで収集する動きも活発化しています。地域特化型のSNS「Nextdoor」の対象期間(3月13日〜4月4日)の平均DAUは、1月の平均DAUに比べ49%増加しました。

参考記事:ご近所SNS「Nextdoor」、シリーズFラウンドで1億2,300万米ドルを資金調達——時価総額は21億米ドルに

外出制限下で地元の情報や知人の安否を知ろうとしたり、外出ができない中で地域内での物のやり取りをしたりする動きが米国内で活発化しています。

フィットネスアプリも利用増

米国政府は外出制限下でもランニングなどの健康維持に必要な屋外での運動については認めています。アプリのユーザーの動きもそれに呼応しているかのようです。

運動の記録を主な機能とする「Strava」の対象期間(3月13日〜4月4日)の平均DAUは1月の平均DAUに比べ80%増加。生活に制限がある中、運動のためにアプリを使っている姿が目に浮かびます。

世界の変化をアプリのデータで捉える

米国のアプリの利用動向の変化からは、コミュニケーションや教育、ビジネス、健康の継続性をアプリを通じて担保しようと奔走する人々の動きが垣間見えました。

日本でも7日、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が行われる見通しです。(4月21日追記:緊急事態宣言は現在、全国に拡大しています)

事態が先行する米国の状況をデータで紐解き、企業や個人の生活を防衛するために備えたり「コロナ後の世界」を見据えることは、厳しい状況下でデータを蓄積する企業が提供できる価値の一つであると筆者は考えています。

一刻も早い終息を願いながら、世界が歴史的に大きく変化する様子をアプリのデータからモニタリングしていきたいと思います。

App Apeはアプリのデータを毎日更新しています。

App Apeは、蓄積するスマホアプリのユーザーの利用データからマーケティングやビジネスの施策のヒントを発見するためのSaaSです。

日間利用者数(DAU)、週間利用者数(WAU)、月間利用者数(MAU)の各ランキングや各アプリの時間帯別利用率、性年代別割合、1日あたりの起動回数、同時所持率が高いアプリ一覧などををいつでもPCやスマホから確認できます。

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