アプリの“利用時間”の変化から見た、コロナウイルスの影響【日本の非ゲームの場合】

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こんにちは、App Ape Lab編集長の日影です。

新型コロナウイルスの蔓延に伴い、日本国内の人々の生活は大きく変容しています。

これまでもアプリ利用の観点から、コロナウイルスの感染拡大に伴う人々の変化をいくつかの記事で紹介してきましたが、アプリの月間利用者数(MAU)や日間利用者数(DAU)といった指標はいわば「点」の指標であり、ユーザーの行動の実態をより詳細に把握するためには利用のありようを「面」でとらえた「利用時間」の把握が重要となります。

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そこで今回は、アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」のデータから推計したアプリ(非ゲーム)の“利用時間”から、コロナウイルス の拡大に伴う人々の生活スタイルの変化について紐解きます。

なお、アプリごとの利用時間は、アプリデータの評価・実験フィールド「App Ape Alpha」で全ユーザーを対象にα版として提供しています。ご覧ください(閲覧にはApp Apeの無料登録が必要となります。登録はこちらからどうぞ)。

App Ape Alpha、全ユーザーに公開 第一弾は「アプリ滞在時間」〜モバイルデータの実験・評価フィールドへ〜

“巣篭もりモード”でカテゴリーごとの利用時間に大きな変化

データはAndroidの一定規模以上のアプリを対象に、ユーザーの利用時間と1MAUあたりの平均利用時間について、1月をコロナウイルスの影響が深刻化する前の“平時”として3月の数値と比較。増減率を集計しました。

[データ元: App Ape (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

Google Playのカテゴリーごとに集計した増減率は上記の通りです。
データからは、休校と外出自粛が広がる中、人々がどのような分野で活動を活発化させているのかが浮き彫りになりました。

歩数計アプリ、利用時間が大幅増

カテゴリー別の合計利用時間を見ると、最も合計利用時間の増加率が高かったのは「健康&フィットネス」で、1月比37%増となりました。

外出自粛による“巣篭もりモード”に社会が突入する中で、意識的に運動量を確保して健康維持につなげようとする人々のニーズが高まったことが垣間見えます。

フィットネスカテゴリ内の個別のアプリの利用動向を紐解くと、もっとも顕著に伸びたのは「歩数計」です。合計時間は237%増、1MAUあたりの平均時間は240%増となりました。歩数計機能を持つアプリは上位10アプリ中4アプリを占めました。

App Apeの有料版ユーザーは直接こちらから「歩数計」の各種データをご覧になれます。

市場混乱やオンライン決済の伸長でファイナンスアプリの利用時間も増加

次いで利用時間が長かったカテゴリは「ファイナンス」で29.2%増となりました。

市場の混乱で株価や金融商品の基準価額を確認したり売買したりしたいというニーズのほか、感染リスクを低減しようと▽現金ではなくキャッシュレス決済を使いたい▽普段はリアルの金融店舗で済ませていた振込などをアプリで完結させたいーーといったニーズが高まったことが想像できます。

最も合計利用時間が伸びたのは「ゆうちょペイ」で95.5%増と2倍近い伸びを示しました。以下、じぶん銀行、ソニー銀行、SBI証券、bitFlyer、三井住友カード、au PAYの各アプリが続きました。ユーザーあたりの利用時間がもっとも伸びたのはじぶん銀行でした。

App Apeの有料版ユーザーは直接こちらから「ゆうちょペイ」の各種データをご覧になれます。

“情報”へのニーズ高まる

「ニュース&雑誌」も15.2%増となりました。状況が日々刻々と変化する中、たしかな情報をスマホアプリから入手しようと日々利用する様子も見えました。

合計利用時間・1MAUあたりの利用時間ともに急増したのは、JX通信社の「ニュースダイジェスト」です。AI(人工知能)を駆使し、報道機関が発信するコロナウイルス関連をはじめとする速報ニュースアプリファーストで伝える同アプリは、コロナウイルスの国内感染状況を独自に取りまとめた「新型コロナウイルス感染状況マップ」のリアルタイム更新を2月7中旬に開始。変化するコロナウイルスの状況をいち早く把握したいユーザーニーズと合致しました。AppstoreとGooglePlayの無料ランキングでも総合1位を獲得しています。

App Apeの有料版ユーザーは直接こちらから「ニュースダイジェスト」の各種データをご覧になれます。

イベントカテゴリーは大きく落ち込む

一方、大きく落ち込んだカテゴリーは「イベント」です。3月の合計利用時間は1月に比べ60%、1MAUあたりの利用時間は51.5%も落ち込みました。コロナウイルスの感染拡大を防止しようと自粛が広がった結果、関連するアプリの利用減に直結した形です。

データとユーザーとしての実感から変化を読み解く

今回は3月時点のデータを月別に集計したため、緊急事態宣言以降の変化は反映されていません。

それでも、利用時間というユーザーの行動を直接反映した指標からは、人々の行動に大きな変化が起きていることがデータから浮き彫りになりました。

緊急事態宣言以降、人々の生活への影響がより顕著になし、アプリの利用にも大きな変化がもたらされてるはずです。

データを生かして人々の「今」を読み解き、「変化の兆候」に気づくためには、複数のデータを読み解き、そこから1ユーザーとしての実感から想像力を働かせることが重要だと筆者は考えます。

コロナウイルスの渦中で社会に貢献できるデータを見出すには、一歩踏み込んだ分析で読み解いたデータは、驚くほど鮮やかな色彩を放ちます。

データやユーザーとしての実感・想像力をもとに、変化が激しい中でその都度描く未来をアップデートし、信念と柔軟性、そしてスピード感を持って取り組める企業こそが「コロナ後の世界」に向けた信頼を得ていくものと確信しています。

1日も早い終息を祈りながら、データから見える人々の姿を浮き彫りにすることで、社会に少しでも貢献していきたいと思っています。

App Apeではアプリに関する様々なデータを毎日更新しています。

無料版では、日々の利用情報ランキングや大きな動きがあったアプリを紹介するトレンドランキング、主要SNSアプリの利用情報、各アプリのストア情報のサマリーを見ることができます。アプリの最新動向や人気をウォッチしたり調査したりする方法を探している方におすすめです。

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