小学館・集英社・Fringe81「マンガで広告をもっと面白く、楽しく!」マンガの価値を最大化する新しいアプリ広告プラットフォームとは?

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こんにちは。App Ape Lab編集長の日影です。

突然ですが、はじめて自分で買って読んだマンガって、何でしたか??

筆者がはじめて自分で購入したマンガは「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治・集英社)の第74巻でした。

小学5年の冬休み、実家がある岩手県盛岡市から母方の祖父母が住む宮城県山元町に遊びに向かう新幹線の車中で読むため、母にもらった500円玉(旧貨幣)で当時390円だった”こち亀”の単行本をJR盛岡駅のキオスクで購入したのです。残りの110円で一緒にコーラも買いました。

こち亀74巻が出版された時代はまさにバブル。スキーリゾート、過激なテレビのバラエティー番組、フリーターの登場など、世相を反映した破天荒ぶりを発揮する主人公の両津勘吉に爆笑しながら、窓側の席でコーラを飲みながら一人読んだのを鮮明に覚えています。

このようなマンガを取り巻く思い出や原体験は、マンガを読んだことがある人なら誰しもが持っているものだと思いますが、その時の気持ちをまとめると、きっと「面白くて楽しい」だったと思うんです。

そんなマンガの「面白くて楽しい」を大切にしながら、マンガアプリ上で人気マンガ作品のコマを使って広告を配信している出版社と、メディアの収益化を実現するために広告事業の立ち上げから商品企画、開発、販売を支援するデジタルマーケティング会社があります。小学館・集英社・Fringe81です。

3社で共同運営するマンガアプリ広告の共同プラットフォーム「Manga Ad Platform(MAP)」では、マンガ作品とマンガコマを選び、セリフを挿入するだけで気軽に広告を配信できる「アテレコ広告」を開発、マンガの可能性を追求しています。

そもそも作品として世の中に出ているマンガを広告に使う意味とは?マンガを広告に使う際に気をつけるべきことって?MAPやアテレコ広告を含むアプリ内での広告の企画などを手がける3社のキーパーソン6人に伺いました。

アプリの運営で広告出稿による成長を図りたい企業の担当者は必読の内容です。(敬称略、聞き手・写真・編集:App Ape Lab編集長日影耕造)

今も成長し続けるコミックアプリ

[データ元: App Ape (国内約3万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

スマホアプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積するデータをもとにGooglePlayコミックカテゴリの上位50アプリの合計MAUを見ると、2020年2月は前年同月比47.3%増と大きく成長していることが読み取れます。

スマホアプリが幅広い年代層に浸透した結果として、数多くのマンガアプリが誕生し、カテゴリ全体の利用が伸びている様子が見て取れます。

主要なエンタメ系カテゴリーの上位50アプリの最近1年間の成長率をそれぞれ見るとゲームカテゴリが18.1%増、YouTubeなどが属する動画プレーヤー&エディタが7.7%増、Twitterや各種ニュースメディアアプリが属するニュース&雑誌が36.2%増で、他のカテゴリと比べても、コミックアプリの成長率は高く、将来性が高いカテゴリとなっています。

Manga Ad Platform(MAP)とは?

[Fringe81ニュースリリースより]

「Manga Ad Platform(以下MAP)」は、複数のマンガアプリを一元管理して広告掲載できる共同プラットフォームです。2019年8月に小学館・集英社・Fringe81がリリースしました。マンガアプリでトップ5に入る「マンガワン」や「少年ジャンプ+」で、MAPを通じてアテレコ広告など各種広告を配信しています。

[Fringe81ニュースリリースより]

スマホアプリが幅広い年代層に浸透した結果、数多くのマンガアプリが誕生し活況を呈する一方で、広告掲載を検討する広告主や広告代理店にとっては、アプリによって広告の掲載基準やフォーマットが異なるため、広告効果の測定・比較や次の施策に向けた判断、広告の最適化がしづらい状況が発生しています。

さらに、既存のアドネットワーク経由では、マンガ独自の新しい広告表現の開発などにも対応しきれないという課題も生まれました。

これらの課題解決のためにリリースしたのがマンガアプリ専用の広告プラットフォーム、MAPであり、その枠組みの中で新しい広告表現として開発したのが「アテレコ広告」です。

マンガは「ドラマのタレント起用」によく似ている

ーー今日はたくさんの方々にお話を伺えて嬉しいです。それぞれ簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?

株式会社小学館
山口誠氏
広告局メディア営業室兼コンテンツ事業推進センター/マンガワン事業室副課長

山口:山口です。小学館でマンガワンやサンデーうぇぶりのほか、コミック全般の広告周りを担当しています。

株式会社小学館
関根義介氏
広告局デジタルメディア営業センター

関根:関根です。小学館でコミックアプリ・ブラウザといったデジタルメディアのマネタイズを担当しています。

株式会社集英社
林暖也氏
広告部デジタルプロデュース課

:林です。集英社でデジタル領域全般のプログラマティック広告や、アドテク関連、およびMAPのマネタイズ向上などを担当しています。

株式会社集英社
大河麻衣氏
広告部デジタルプロデュース課

大河:大河です。集英社でアプリやウェブメディアの広告の収益最大化に向けたメニュー開発を担当しています。

Fringe81株式会社
御厨寛人氏
メディア・プロダクト本部GrowLio局プロダクトマネージャー

御厨:御厨です。Fringe81でマンガアプリメディアの広告収益の支援・営業支援など全般を担当しています。

Fringe81株式会社
清水俊太郎氏
メディア・プロダクト本部GrowLio局セールスチャネルマネージャー

清水:清水です。同じく、Fringe81でマンガアプリメディアの広告収益の支援・営業支援を担当しています。

ーーそもそも、広告表現として出版社のマンガを広告に使うメリットは何なのでしょうか?

関根:そうですね、よく例え話としてクライアントさんの前で話すことが多いのですが、マンガのタイアップはタレント起用に似ていると思っています。

例えば、テレビドラマの場合、「有名なタレントが出ているから」という理由でドラマを見る、という視聴者がすごく多いと思うんですね。

これは、マンガも同じだと思っています。魅力的なキャラクターや世界観があり、作品ごとに熱心なファンがいるので、そのファンにアプローチできて、面白がってもらえたり共感してもらえたりすることがマンガの強みになります。

御厨:中でも、実力のある作家さんに編集がしっかりとついて世に出していく出版社のマンガはコンテンツ力が強く、それを広告に使えるということは相当大きなメリットだと思います。

清水:デジタル広告の観点でも、出版社のマンガIPやコンテンツを使った広告配信は、ユーザーがちゃんと足を止め、しっかり内容を理解してクリックしてくれる効果が通常よりも高いことがデータで明らかになっています。

ーー具体的にどれくらいの効果があるのですか?

清水:例えばアテレコ広告の場合、通常のバナー広告のCTR、VCTR、CVRともに高いという結果が出ています。どれくらい高いかというと、具体的には通常のバナー広告に比べCTRは約2倍、VCTRは約3倍、単純な比較が難しいのですが、CVRはアテレコ広告をやっていない同業種の他社に比べておおよそ2倍という規模になっています。

御厨:ちなみに、アテレコ広告を含むMAPで配信した広告のログや成果は、全て自社で計測して数値管理していますので、広告を取り巻く各種成果は全て把握できます。

この蓄積したデータにより、これまで難しかったマンガ広告の成果指標を数値として証明できるのです。

山口:Fringe81さんのお力を借りて、良質なコンテンツをベースに、アプリユーザーのデータ分析や精緻なターゲティングなどしっかりとした広告戦略を、プライベートネットワーク的な要素の中で展開できることが、アテレコ広告の価値をより高めていると見ています。

マンガを使った広告、成功のカギを握るのは「作品への理解」

ーーなるほどですね。広告を出稿する側が出版社のマンガを使った広告を企画するときに気をつけるべきポイントは何でしょうか。また、成功の秘訣はあるのでしょうか?

山口:これという正解はありませんが、これまでの実績でいうと、コアな読者のように作品への愛や熱量があるとうまくいく場合が多いと感じています。

世界観や作品に対する理解、興味を持っていただいてお互いに理解を深め合えると、その企業の紹介やサービスと作品の連携が密になり、ファンの共感を得られる価値のある広告を作り出すことができるのです。

:「このキャラクターはそもそもこんな発言しないよ」とユーザーに感じられてしまうと、そもそも広告自体が嫌われてしまいかねません。「世界観」があるマンガを広告にしている以上、広告自体を好きになってもらうような、そんな効果を大事にすることが重要だと思います。

マンガの広告に対する安全・安心をより追求

ーーアテレコ広告の土台となるMAPが生まれた背景にはどんな課題があったのですか?

山口:出版社の視点でお話しすると、女性誌などのウェブベースのデジタル広告では、既に多くの広告主様からのご出稿をいただけるようになってきており、デジタル広告においても信頼あるコンテンツを作り続けることには大きな価値があると日々実感しています。

一方で、マンガについては、いわゆる”漫画村(海賊版マンガサイト)”の事件に代表されるように、広告主にとって不安を抱かせてしまうような状況もあり、マンガアプリが本来持つ高い広告価値を十分にアピールできていなかった部分があったように感じています。

[Fringe81ニュースリリースより]

そのような状況下で、出版社がタッグを組んで「ユーザーからの信頼があるマンガを出している出版社の公式マンガアプリ」という切り口で広告枠をご提供することで、アテレコ広告を含む広告企画に対して価値を感じていただき、最終的には出版社が日々作り続けているコンテンツ自体に価値があることをしっかり証明したいというのが大きな狙いです。

マンガ広告に対する安全・安心を追求したMAPの考えを、”マンガ”と聞いて真っ先に思い浮かぶ企業である小学館と集英社が一緒になって発信していった方が、共感いただける会社さん、広告主さん、広告代理店さんが増え、1社単独での取り組みよりも結果的に良い方向に向かうはずと考えています。

ーーアテレコ広告についてはどんな狙いでつくったのですか?

[Fringe81ニュースリリースより]

山口:広告コミュニケーションの一つとしてマンガを使う、という手法自体はずっと前から存在していました。

ただ、このデジタルの全盛の状況下で、広告のバナーやクリエイティブのスペースも小さくなり、長期的なブランディングというよりも、瞬間的な反応や短期的なコスト効率を追求する部分がより多くなる中、マンガ自体を使う広告はタレントさんのブッキングと同じような感覚になってしまい、手間がかかるという感覚になってしまう部分は否めません。

そこで、マンガを非常にカジュアルに、まずは広告としてお試しいただく方法としてご用意したいというのが、アテレコ広告なのです。

ーー定性面ではどんな価値が生まれていますか?

:先ほど紹介した数値面に加えて、ツイッターなどでも「この広告面白い」「広告見たよ」とユーザーがUGCとして広告を拡散する事象が生まれ始めています。ツイッターとアテレコ広告の相性の良さを示していると思います。

大河:通常、ユーザーが広告を話題にしてくれることはあまりないのですが、「また変なことやっているw」みたいな感じでユーザーが広告を面白がってSNSで話題にしてくれているのは、広告を扱う立場としてもとても嬉しいですよね。

また、少し違う側面からですが、少年ジャンプ+やマンガワンで書いている作家さんにとっては、広告のニュースリリースや媒体資料に作品が出ていくことでたくさんの方々に知ってもらうきっかけになりますし、広告とマンガの相性がよければ良いほど作家、広告主様の両方にメリットになるのが一つの利点と考えています。

面白くて楽しいマンガを使って、もっと面白いことがしたい

ーーMAPはこれからどう展開していくのですか?展望をお聞かせください。

御厨:メディアグロースという立ち位置でお話をすると、この取り組みの最終的な目的はマンガアプリの収益化支援なんですね。今は広告というアプローチですけれども、マンガアプリの価値を最大化するというのが一番の肝だと思っています。

アテレコ広告による広告売り上げ増加はもちろんですが、そこだけではなくて、アテレコ広告のようにIPを生かして収益を最大化する、MAPに限らずマンガアプリの収益に貢献できる、価値を上げるといった取り組みを今後も進めていきたいと思っています。

大河:出版社系のアプリを中心にネットワークを広げていけたらいいなと思っています。MAPを通して新しい広告主を開拓していって事例を作り、より多くのマンガ作品を世の中に知ってもらえるきっかけを作っていきたいです。

ーーアテレコ広告についてはいかがですか?

:アテレコ広告で作品が使われることで、作家さんの作品自体もさらなるヒットにつながっていくことになるという感じで、編集部と一緒にタッグを組んで、広告と作品とで相乗効果を生み出せたらすごくいいなと思いますね。

関根:ちょっと視点が変わるのですが、広告業界にはタレント選定の際に用いられる第三者的な指標として”タレントパワーランキング”というものが存在します。コミック分野で同様の形で公に出ているものは発行部数くらいで、あまり多角的な評価というのはないんですね。

例えばある作品とある商品ジャンルとの相性が良いとか、ある作品を使った広告がどれくらい見られているかが分かるとか、そういったデータがMAPを通じて指標化され、広告にマンガを利用する際の作品選定の基準となるようなものができるといいなと考えています。

山口:いずれにせよ、今後もコンテンツ自体を一から作り上げてしっかりと読者に対して届けていく、信頼できる出版社だからこそできる企画を出していけたらいいなと思いますね。

今日はいろいろ難しいことを語ってしまいましたが、要は作家さんと編集者と出版社が魂を込めて作った面白くて楽しいマンガを使って、もっと面白いことができたらいいなあと考えています。ぜひ、いっしょに取り組んでいきましょう!

アテレコ広告の詳細:https://pr.ads-platform.jp/map/atereco/index.html

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