コロナウイルス深刻化から2カ月、アプリのデータから見えたコミュニケーションの“激変”

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こんにちは。App Ape Lab編集長の日影(@kozo_hikage)です。今日で在宅勤務4週間目となりました。通勤が立派な“運動”であったことを日々実感しています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相の要請で全国の小中高校が一斉休業してから約2カ月が経過しました。

休校要請に伴う児童や生徒の自宅待機に始まり、7都府県を対象とした緊急事態宣言の発令による外出自粛、さらに緊急事態宣言の全国拡大と日増しに影響範囲が拡大するのに伴い、生活のあらゆる分野で変化が生じています。

アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」 で蓄積するアプリの利用データをもとに、コロナウイルスによってこの2カ月で生じた最も大きな変化を探りました。

“巣篭もり生活”でオンラインコミュニケーションが爆発

一定以上のユーザー規模の500アプリを対象に、1月15日〜2月14日をコロナウイルスの影響が顕在化する直前の”平時”と定義。各期間(3月、4月1〜7日、4月8日〜14日、15日〜21日、22日〜28日)の平均日間利用者数(平均DAU)を推計しました(対象はAndroid)。

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

平均DAUが多い10カテゴリー(GooglePlayに準拠、ゲームカテゴリは一つにまとめた)を期間別に見ると、政府が緊急事態宣言を発令した4月8日週以降、平時に首位だった「旅行&地域」と2位の「コミュニケーション」が逆転したことが、この2カ月間の人々のアプリを通した行動の変化の中で最も大きなものであると筆者は見ました。

※ App Ape有料会員の方は、こちらよりカテゴリ別のDAUランキングをご覧になれます。

データを読み解く上で重要となるキーワードは、“巣篭もり”です。人々の物理的な行動が制限された結果として、旅行&地域カテゴリーのアプリ利用が大きく減少した一方、オンラインのコミュニケーションが活性化して相対的に存在感が大きく高まったと言えます。

“必要”がコミュニケーションのあり方を変えている

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

オンラインでのコミュ二ケーションが爆発した様子は、個別アプリのデータからも端的に見いだすことができます。

平均DAUの増加率を期間ごとに抽出して見ると、最も増加率が高かったのはオンラインミーティングアプリの「Zoom」。4月22日〜28日の平均DAUは平時に比べ39.4倍に伸長しました。ビジネスミーティングで主に用いられる「Microsoft Team」は7倍、「LINE Work」も1.8倍となりました。

これらのアプリの利用は特に緊急事態宣言以降顕著に伸びており、社内外とのやり取りをオンラインに移行していく様子がよく分かります。

教育分野も激変、オンラインコミュニケーション急ピッチで整備

教育分野でも、コミュニケーションをオンラインに置き換える動きがこの2カ月で加速しました。

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

学習管理ツールの「Google Classroom」の4月22日〜28日の平均利用者数が平時に比べ10倍に急増。中部電力が提供する学校や地域向けの連絡網などの情報を受け取れる「きずなネット」が5.3倍、ナビゲートアイが提供する学校と家庭が情報をやり取りする「マチコミメール」が3.4倍、「Classi生徒用」が2.5倍などといずれも利用が平時に比べ増大しました。

※ App Ape有料会員の方は、こちらより「Google Classroom」のDAUの実数値をご覧になれます。

上記のアプリに加えて、NewsDigestや日本経済新聞といったニュース系アプリの利用増も顕著な2カ月となりました。状況が混沌とする中、正確かつ即時性が高い情報を求めるニーズが過去にないくらい高まっていることがデータからは伺えます。

変化の途上だからこそ、大きな流れを見逃さない

外出自粛要請や休校措置により物理的な移動を伴ったり、家族以外の外部の人間との接触を極力減らす形で仕事や学習を行う必要性が緊急で生じた結果、これまでオンラインでのコミュニケーションアプリを取り入れることがなかったユーザーが新たにアプリを使ったり、利用頻度を高めたりしていることが、データからは伺えます。

ビジネスシーン、教育の現場のいずれも”必要”がオンラインのコミュニケーションを加速させた形です。

これらのオンラインコミュニケーションの爆発は、コロナウイルスがもたらした不可逆な変化となる可能性があると筆者は感じています。在宅で働く経営者やビジネスパーソンの中には、オンラインコミュニケーションのメリットを感じ、“コロナ以前”のオフラインのコミュニケーションのあり方を見つめ直す人々が数多く出てきています。

緊急事態宣言の延長が議論される中、巣篭もり生活下の人々の生活や消費の有り様を反映するアプリ利用は、まだまだ変化の途上にあります。

人々の可処分時間の過ごし方は多様化しており、今回のデータから見える変化もその一端でしかありません。しかし、この大きな変化の流れを捉え、未来につながる糸口を企業や個人がそれぞれの立場から探り、前に進むことこそが重要であると筆者は強く思います。

コロナウイルスの終息を願いながら、変化を恐れずに前に進むためにもデータを注視したいと思います。

App Apeではアプリに関する様々なデータを毎日更新しています。

無料版では、日々の利用情報ランキングや大きな動きがあったアプリを紹介するトレンドランキング、主要SNSアプリの利用情報、各アプリのストア情報のサマリーを見ることができます。アプリの最新動向や人気をウォッチしたり調査したりする方法を探している方におすすめです。

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