
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、子どもから大人まで自宅にいる時間が増えたことで、スマホアプリに接する時間が長くなっています。
下の記事でも、10代は教育系アプリ、20代は動画・ゲーム、30代はオンラインコミュニケーションと内食アプリなど…
仕事もプライベートでも、オンラインにシフトしているのがわかります。
企業の広告配信も、それぞれのアプリの特徴を把握した上で、自社のターゲットに合わせた最適な広告選定や効果的な接触を図り、サービスに合わせた的確な施策を行う必要があります。
この記事では、音楽・動画アプリのなかでも代表的な「YouTube」「TikTok」「Spotify」について、アプリ分析ツール「App Ape」で蓄積された利用データを読み解き、各アプリのユーザー層と利用傾向を分析しました。
幅広い年代が利用するYouTube、若年層のユーザーが目立つTikTokとSpotify
今回取り上げるのは、アプリ内広告配信ツールとして代表的な「YouTube Ads」「TikTok Ads JAPAN」「Spotify for Brands」の3種類です。
▼YouTube Ads

まずは、YouTube Adsの広告の種類を紹介します。
広告フォーマットの種類※YouTubeヘルプページより
- ディスプレイ広告
注目動画の右側、おすすめの動画一覧の上に表示されます。プレーヤーが大きい場合は、プレーヤーの下に表示される場合もあります。 オーバーレイ広告
半透明オーバーレイ広告は、動画の再生画面の下部 20% に表示されます。スキップ可能な動画広告
広告が 5 秒間再生された後、広告をスキップするか残りの部分を見るかを視聴者が選択できます。動画本編の前後または途中に挿入されます。スキップ不可の動画広告
スキップ不可の動画広告は、最後まで再生しないと動画を視聴することができません。バンパー広告
最長 6 秒のスキップ不可の動画広告で、最後まで再生しないと動画を視聴することができません。スポンサー カード
スポンサー カードには、動画に登場する商品など、動画に関連するコンテンツを掲載できます。
▼TikTok Ads JAPAN

TikTok Ads JAPANでは、下記の種類の広告があります。TIkTokのInfeed Adは、広告以外の通常投稿と同様に楽しめるため、ユーザーに受け入れられやすいことが特徴です。
広告の種類※TikTok Ads公式サイトより
- Top View
起動画面から自然にフィードに入り、広告への抵抗感を最小限までに減らすことでCTRが期待でき、優れたユーザー体験が可能。最大60秒、全画面表示の長尺動画を音声付きで自動再生。 Take Over AD
アプリ起動時に全画面表示でユーザーの注目を集めます。CPMが安く、CTRが高いのが特徴。Infeed Ad
おすすめフィードに最大60秒の音声付き自動再生動画とともに表示されます。Challenge
企業がテーマ(#)を提示し、ユーザーからの投稿を募り、ユーザーが作成したコンテンツをハッシュタグチャレンジページに集約します。Stamp
オリジナルのステッカーや、フィルター、特殊効果を作成可能なコンテンツです。
▼Spotify For Brands

Spotify For Brandsは音声のみの広告を配信しており、ユーザーとの接点を複数回持ってブランドの認知や理解促進を強めてきました。2019年以降は音声広告が注目されるようになり、2020年のデジタル音声広告市場が16億円に達する見通しだと言われているほどの急成長を見せています※。
※出典元:デジタル音声広告の市場規模は2020年に16億円、2025年には420億円にーー株式会社デジタルインファクト
広告の種類※Spotify For Brands 公式サイトより
- オーディオ
いつでもどこでもどんなデバイスでも、ターゲットユーザーにリーチできます。オーディオ広告は楽曲の間で配信されますので、100%のシェアオブボイスで広告を届けます。 ビデオ
視覚、音、動きであなたのストーリーを伝えます。ディスプレイ
ビューアビリティを重視してデザインされた広告で、あなたのブランドを際立たせます。
TikTokは10代、Spotifyは20代男性の利用が多い
次に、それぞれのアプリのターゲット設定を考えるべく、まずは3つのアプリの性別年代比を見てみましょう。

[性年代比:そのアプリの対象期間における所持ユーザー(MAU)のうち、男女×年代でみたときの各世代の割合]
青のグラフで示したYouTubeについては、他の2種類と比べ、どの世代にもユーザーが一定数いることが明らかになりました。緑で示したTikTokと赤のSpotifyについても、YouTubeと比べると若年層に偏っているものの、同様にどの世代にも一定数のユーザーがいることがわかります。
TikTokで最もユーザー数が多いのは10代で、学校での会話にもTikTokの動画が話題にのぼる機会が多いようです。Spotifyの特徴としては、10代よりも20代のユーザーが多く、特に20代男性のユーザーが最も多いことがわかります。
この性別年代比を鑑みると、アプリによって多少差はあるものの、概ね幅広い年代にユーザーがいるため、
より詳細に、ターゲットのアクティブ時間帯に合わせた広告出稿を検討したほうが、効果がぐっと上がりそうです。
YouTubeとTikTokは夜、Spotifyは夕方の利用率が高い
効果的な広告出稿のために、3種類それぞれの時間帯別利用率を見ていきましょう。
月間のアプリ所持ユーザー数を母数として、当該の曜日と時間にアプリを1回以上起動したユーザーの数を分子として月間で平均を取ったものです。赤色が濃いほどユーザーがアクティブな時間帯で、緑色が濃いほど非アクティブな時間帯です。
YouTube|ピークの時間は20時〜22時

[時間帯別アクティブ率:アプリ所持ユーザーの内、曜日別、時間帯別にアプリを1回以上起動したユーザーの割合の月間平均値。平日、休日別で月間の平均値を示しています。]
まず、全世代にユーザーが広がるYouTubeについて、ユーザーがどの時間帯にアプリを活用しているのかを見ていきましょう。
YouTubeのユーザーが一日のなかで最も多い時間帯は、平日・休日ともに夜の18時〜23時頃です。休日は朝10時から日付を跨いで深夜1時まで、一日中アプリを利用している人が多いと確認できます。平日・休日ともに、最も赤色が濃くなっているピーク時間帯は、夜の20〜22時です。
TIkTok|隙間時間での利用が多い

[時間帯別アクティブ率:アプリ所持ユーザーの内、曜日別、時間帯別にアプリを1回以上起動したユーザーの割合の月間平均値。平日、休日別で月間の平均値を示しています。]
続いて10代のユーザーが最も多かったTikTokは、YouTubeに比べて時間帯ごとの利用率があまり高くなく、平日も休日も12〜23時に一定の利用があることが分かります。
ピーク時間帯は平日・休日ともに20〜22時に集中しているものの、ピークの時間がYouTubeほどはっきりしていないようです。1時間を超える動画も少なくないYouTubeに対して、TikTokは15秒動画を基本としているため、お昼休みやちょっとした休憩時間にアプリを利用していることがデータからうかがえます。
Spotify|在宅ワークが増え、平日の日中の利用増加

[時間帯別アクティブ率:アプリ所持ユーザーの内、曜日別、時間帯別にアプリを1回以上起動したユーザーの割合の月間平均値。平日、休日別で月間の平均値を示しています。]
20代のユーザーが最も多いSpotifyは、平日は特に17〜19時の利用が多く見られるものの、上の2つのアプリと比べると利用が多い時間帯がまばらです。
動画を楽しむYouTube、TikTokに対して、Spotifyは音楽を楽しむアプリであり、画面を見ていなくてもコンテンツを楽しめるため、一度音楽をかけたら流したままにしているユーザーが多いと想像できます。
この時間帯別利用率のグラフは、Spotifyで実際にユーザーが音楽を聞いているかどうかに関わらず、ユーザーがアプリを開いている時間を表しているものなので、特に休日は一日中音楽を流しているユーザーが多いのかもしれません。

[時間帯別アクティブ率:アプリ所持ユーザーの内、曜日別、時間帯別にアプリを1回以上起動したユーザーの割合の月間平均値。平日、休日別で月間の平均値を示しています。]
また、新型コロナウイルス感染症の影響が広まる前の2020年1月と、影響が広まった4月の時間帯別アクティブユーザー数を比較してみたところ、4月は上の表のように利用が多い時間帯にばらつきが生じているのに対し、1月は平日の通学・通勤時間である7〜9時と夜に利用率のピークがありました。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で在宅勤務や学校の休校が増えたために、平日日中にもアプリのユーザー数が増加していることが分かります。
アプリのターゲットを理解して、的確なアプリ内広告の出稿を検討する
今回見てきたように、アプリごとにユーザーの利用スタイルや時間帯が異なります。性別年代比と時間帯別アクティブユーザー数の表を見比べながら、自社のターゲットにあったアプリを選び、適切に広告を打つことが最適化につながっていくと言えるでしょう。
データを参照しながらターゲットのライフスタイルを想像した上で、広告を出稿する時間帯も選ぶことが必要です。
こちらの記事では、TikTok、Spotifyのマーケティング担当者による、アプリ活用マーケティングについて取り上げておりますので、ぜひご覧ください。
新型コロナウイルスの影響に限らず、今後も動画や音声によるアプリ内広告が今後ますます注目されていくと考えられます。その動向や詳しいデータを知りたい方は、お気軽にこちらからApp Apeの無料版をお試しください。
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