新型コロナで政府のアプリシフトが加速。接触確認アプリの課題は?

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「ニューノーマル」と呼ばれる新たな生活様式の中で、人との接触を避けようとスマートフォンアプリを活用する場面が目立ってきました。

例えば、オンラインミーティングアプリは対面での接触を避ける目的で利用が爆発。キャッシュレス決済アプリは現金のやり取りを避けることにつながっています。

一方、スマホアプリのインフラ化が進展したことで、政府が公共サービスを提供する手段としてのアプリ活用も進んでいます。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う定額給付金で利用者が急増した「マイナポータルAP」と、6月にローンチしたコロナウイルス陽性者との「新型コロナウイルス接触確認アプリ」について、アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」でとりまとめた推計データから所持者の動向や特徴をとらえました。

(App Apeはデータ取得の論理的配慮とプライバシーの保護を考慮し、利用規約に同意を得た上でデータを取得しています。App Apeの詳細はこちらから

接触確認アプリ、ストアランキングで首位を獲得

[GooglePlayより引用]

内閣府が手がけるアプリ「マイナポータルAP」は、マイナポータルのサービスを利用するためのログインに主に利用するアプリです。Google Play無料ランキングでは2020年5月2日〜20日に2位となりました。

[GooglePlayより引用]

厚生労働省が手がける「新型コロナウイルス接触確認アプリ」は、陽性者との接触があったかどうかを確認できるアプリです。新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受けることができます。同アプリはアプリローンチ以降、GooglePlayの無料ランキング総合1位を維持しています。

App Apeでストアランキングを確認する(1分ほどの無料登録ですぐに閲覧できます)

アプリの所持者数は増加し続けている

[データ元: App Ape(国内15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[所持者数:対象期間に当該アプリを所持しているユーザーの数]

マイナポータルAPと新型コロナウイルス接触確認アプリの所持者数の推移(対象はAndroid)を見ると、総務省が定額給付金がマイナンバーカードによるオンライン申請ができることを発表した4月20日から増加基調となり、手続き開始日の5月1日に急上昇。直近の7月6日には、所持数は緊急事態宣言前の4月1日に比べ21.1倍となりました。

厚労省の発表によると、新型コロナウイルス接触確認アプリのダウンロード数は7月6日現在で582万を突破。App Apeで所持者数の推移を見ると、ローンチ直後から上昇基調となっており、6月21日〜7月6日で約1.88倍となりました。

新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application

接触確認アプリ、世代によって所持に濃淡

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[性別年代比:そのアプリの対象期間におけるユーザーのうち、男女×年代でみたときの各世代の割合]

App ApeでマイナポータルAPの所持者の年代別構成(2020年6月)を見ると、最も割合が高いのは50代の26.5%で、以下、40代24.8%、30代21.3%、60代以上14.6%、20代12.0%、10代1.0%と続きます。性年代別では50代男性が最も多くなっています。人口構成の兼ね合いに加え、給付金を世帯主が申請する仕組みであることも影響していると筆者は見ています。

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[性別年代比:そのアプリの対象期間におけるユーザーのうち、男女×年代でみたときの各世代の割合]

接触確認アプリの性年代別構成を見ると50代が25.1%と最多で、以下、40代23.3%、60代以上18.6%、30代18.3%、20代11.5%、10代3.3%となっています。

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[年代比:そのアプリの対象期間におけるユーザーのうち、各世代の割合]

世代ごとの浸透度合いを把握するため、日本国内で利用者数が多いコミュニケーションアプリ「LINE」の年代別利用者数の推計値と比較すると、50代以上の割合がLINEに比べて高い一方、30代以下の割合が低い状況となっています。接触確認アプリの性年代別構成は現在のLINEの所持者の構成に近い形ではあるものの、世代によって浸透度合いに濃淡がある可能性があると筆者は見ています。

「毎日使わないもの」をどうやって持ってもらうか?

これらのアプリは、スマホゲームやコミュニケーションアプリとやや性質が異なり、必ずしも「毎日起動して使うもの」ではありません。したがって、アプリの成長と成功を図るには、まず”所持し続けてもらうこと”が重要であると筆者は考えます。

特に接触確認アプリについては、所持者が増えれば増えるほど、接触確認の精度が上がっていく仕組みです。所持すること自体が感染予防対策につながるという観点では、“いかに持ち続けてもらうか”について、試行期間と位置付ける今のうちから施策を準備することが、アプリのさらなると継続した所持を図る上で重要になるでしょう。

また、年代別の対策も重要性が増していきそうです。東京都では7月6日現在、5日連続で新規の感染確認者数が100人を超えています。6日は感染者102人のうち、20代〜30代が72人となるなど若年層が多いのが特徴です。

7月6日NHKニュース:東京都 新たに102人感染確認 100人以上は5日連続 新型コロナ

これらの状況を勘案すると、アプリによる感染拡大防止を図るという意味では、都市部で感染が拡大している若年層向けに接触確認アプリの所持増につなげる対策が鍵を握ると言っても過言ではありません。

マイナポータルAPの場合、給付金の手続き目的でインストールしたユーザーに対し、アプリを使うことできることをコンテンツなどで発信する”仕掛け”としてのチュートリアルを充実させる必要がありそうです。

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いずれにしても、スマホのインフラ化が進展したことで、国民へのサービス提供についてもアプリの存在感が高まっていることは間違いありません。

幅広い世代にスマホが普及したことで、行政サービスの利便性向上が期待できる反面、アプリのマーケティングやユーザー体験向上に欠くアプリは、他の多くのアプリと同様に使われなくなり、アンインストールされる運命にあります。

アプリが使われないということは、税金が無駄になるということです。アプリを出しただけでなく、今後の成長施策や利用動向にも国民はしっかり目を向けるするべきでしょう。

App Apeではアプリに関する様々なデータを毎日更新しています。

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