【2020年7月版】データで見る世界のアプリ動向 コロナの影響色濃く

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幅広い世代に浸透したことでいまや人々の行動様式や世の中の動向の「映し鏡」となったスマートフォン(スマホ)アプリ。

スマホアプリの利用動向データは、世界各国の人々の生活や行動、さまざまな分野の市場動向の変化などを捉え続けています。

スマホアプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積する世界のアプリ利用データから、2020年7月に生じた海外アプリの利用動向の大きな変化をまとめました。

データからは、地球規模で感染が拡大している新型コロナウイルスや国家の安全保障上の措置などの事象に対し、アプリの利用動向が敏感に反応している様子が浮き彫りになりました。

アプリビジネスの成功に向けた海外で先行するアプリトレンドの把握はもちろんのこと、アプリを通じて各国の社会情勢や文化への理解を深めるのにも役立つ最新情報です。

App Apeの詳細はこちら:アプリ分析ツール App Ape
※ 下記より、App Apeの説明資料をダウンロードできます。

7月の大きな変化とは?

App Apeで蓄積する日本、韓国、アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、台湾、ドイツの各国のアプリ利用動向に関するデータのうち、7月に比較的大きな動きが生じたアプリのデータについて編集部が情報をピックアップしました。

各国のストアランキングやアプリの情報はApp Apeの無料版でも検索・閲覧ができます。登録は1分ほどで完了します。詳細はこちらからどうぞ。

日本:COCOAアプリ、着実に浸透

[GooglePlayより引用]

日本では厚生労働省が6月にローンチしたコロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」が順調に所持者数を伸ばしました。アプリを配信するGooglePlayのストアランキング(無料)では、7月は2日と3日を除く実に29日も首位にランクインしました。

日経MJ7月15日付:接触確認COCOA、ダウンロード順調 若年層への浸透に課題も

新型コロナで政府のアプリシフトが加速。接触確認アプリの課題は?

マイナンバーカードを取得したユーザーに対してインセンティブを付与する際に必要な総務省のアプリ「マイナポイント」も月間利用者数(MAU)が前月に比べ2.6倍と大きく伸長しました。

マイナポイントアプリのユーザー急増!ユーザーはどの決済サービスを登録する?

政府系アプリの利用の利用拡大は、日本政府がDX(デジタルトランスフォーメーション)に一歩踏み込んで取り組み始めた表れと言えます。

同時に、COCOAの場合は安全・安心の確保、マイナポイントの場合は大きなポイント付与という”インセンティブ”がアプリの所持・利用拡大に絶大な効果があることをあらためて浮き彫りにした形です。

韓国:ショッピング系アプリの利用が好調

[GooglePlayより引用]

コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、韓国でも巣篭もり生活による「家ナカ消費」が旺盛で、EC系のアプリの利用が大きく伸長しました。

ユーザー同士の”直接取引”を特徴としたフリマアプリ「タングンマーケット(日本語直訳でニンジンマーケット)」の7月のMAUは前月比11.2%増と大きく利用を伸ばしました。同アプリのMAUは2020年1〜7月で1.8倍と急激に成長しています。

[データ元: App Ape (韓国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

コロナウイルスの感染拡大で移動を躊躇したり実際に生活圏が縮小したりする中、ユーザーの生活圏内など地元を中心に直接取引が完了するアプリの伸びは、地産地消の経済が活発化しつつあることを示していると筆者は見ています。

タングンマーケットはソフトバンクが100%出資する韓国のベンチャーキャピタルが2018年に出資しています。

NNA ASIA 経済ニュース2018年4月25日:SBベンチャーズ、中古取引社に45億W出資

米国:オンラインコミュニケーションさらに加速

[データ元: App Ape (米国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[所持者数:対象期間に当該アプリを所持しているユーザーの数]

世界で最もコロナウイルス 感染者数が多い米国では7月、オンラインミーティングアプリ「Zoom」の所持者数が13.0%増と6ヶ月連続の前月比純増を記録しました。

[データ元: App Ape (米国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

日間利用者数(DAU)の推移を見ると、土日も底堅く推移していることから、ビジネス利用だけでなく、個人を含めたコミュニケーションがオンラインに置き換わった様子があらためて浮き彫りになりました。

インドネシア:大規模社会制限でgoogle classroomが伸長

[データ元: App Ape (インドネシア国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

アセアン諸国の中で急激にコロナ感染者数が増加しているインドネシアでは7月、オンライン学習管理・連絡アプリ「Google Kelas(Google Classroom)」のMAUが前月比94%増と大幅に増加しました。ZoomのMAUも前月比30%増となりました。

インドネシアでは初めて国内での感染を確認した3月以降、コロナウイルスの新規感染者の増加に歯止めがかからない状況が続いています。

休校や就労の制限、移動の制限などを行う「大規模社会制限」を8月まで延長する地域が多く、国民全体の巣篭もりが継続する中でオンライン学習やオンラインミーティングの需要がこれまでになく高まっていることをデータが示している形です。

在インドネシア日本国大使館2020年8月10日:バンテン州の3つの県・市における大規模社会制限の延長(バンテン州知事決定の発出)

インド:中国製アプリ禁止でインド国産アプリが受け皿に

インドでは政府が動画投稿アプリ「TikTok」を含む59の中国製スマホアプリについて、利用を禁止すると発表し。当該アプリはアプリストアから削除されました。

対象となったアプリのMAUが大幅に減少した一方、禁止となったアプリと類似した機能を持つアプリの利用が急上昇しました。国家の施策がユーザーのアプリ利用に直接大きく影響した1カ月でした。

インド政府が禁止した中国製アプリの実力は? すでに代替アプリ続々

ドイツ:ドイツ版COCOA、利用伸ばす

[GooglePlayより引用]

ドイツでは7月、日本のCOCOAとほぼ同時期にローンチされたコロナウイルス感染者接触確認アプリ「Corona-Warn-App」の所持者数が前月比10.4%増となりました。国民への同アプリの普及率は約3割と現状では日本よりも数段高い水準となっています。

仕組みは日本のCOCOAと同様ですが、なぜドイツでは浸透しつつあるのでしょうか。国民性や文化など様々な要因が複合している中、筆者が大きく注目したのは、ストアの「レビュー欄」での対応です。

GooglePlayで同アプリのレビュー欄を見ると、開発元であるドイツ保健省直属の政府機関でで感染症対策などを担うロベルト・コッホ研究所が、ほぼ全てのレビューに対し返信をしていました。

[GooglePlayより引用]

Corona-Warn-App:GooglePlayのレビュー欄へのリンク

ユーザーの満足度向上や実際のアプリのインストールに影響する大きな変数としてストアのレビューがあります。

同アプリの場合、レビュー欄のほぼ全てのユーザーの質問や意見に対し返信を書くことで、既存ユーザーの信頼を獲得するとともに、これからアプリをインストールしようと考える新規ユーザーの心理的な安心・安全を大きく担保しているのではと筆者は見ています。

一つ一つのコメントへの返信は非常に地道な作業です。一方で、そのきめ細やかなサポートの充実がアプリを成功に導くこともデータは示しています。ドイツ版COCOAは、日本のベンチマークとしても注目する価値が大いにあると言えるでしょう。

ブラジル:政府系金融アプリが伸長

[データ元: App Ape (ブラジル国内のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

南米で最もコロナウイルスの感染者数が多いブラジルでは、政府系金融機関「CAIXA(ブラジル連邦銀行」のアプリ「CAIXA Tem」のMAUが前月比25.5%増と伸びました。

ブラジル政府は非正規雇用者などを対象とした緊急援助金を複数回にわたり支給することを決定。CAIXAなど指定金融機関の口座を保有していることなどが条件となっています。支給に関する相談やキャッシュレス決済ができる同アプリの利用が関連で伸びたもようです。

ニッケイ新聞2020年4月10日:《ブラジル》600レアル(約1万2千円)の緊急援助金支払い開始 =登録者は既に2600万人=偽の申し込みサイトはびこる

コロナに翻弄される世界、施策のヒントも

2020年7月は各国がコロナウイルスの感染拡大に伴う影響を受けた結果、人々の生活の映し鏡であるスマホアプリの利用にもその変化が大きく反映されました。

各国のアプリの動きからは、ドイツの「Corona-Warn-App」のようにアプリのレビュー返信施策をそのまま自国のアプリに活かすなど施策のヒントとなる動きも見られました。

コロナウイルスの有無にかかわらず、先行する世界のアプリの動きを見ることで、次の動きを予測したりあらかじめ必要な施策を想定したりすることができるでしょう。また、人々のセンチメントや行動といった観点から世界の動きを捉えるのにもアプリのデータは役立ちます。

アプリのデータを読み解く価値は、今後ますます高まりそうです。次月以降も定期的にウォッチしていきます。

App Apeの詳細はこちら:アプリ分析ツール App Ape
※ 下記より、App Apeの説明資料をダウンロードできます。

App Apeではアプリに関する様々なデータを毎日更新しています。

無料版では、日々の利用情報ランキングや大きな動きがあったアプリを紹介するトレンドランキング、主要SNSアプリの利用情報、各アプリのストア情報のサマリーを見ることができます。アプリの最新動向や人気をウォッチしたり調査したりする方法を探している方におすすめです。

まずは無料版で日々のアプリチェックやベンチマーキングにApp Apeのお気に入り機能をフルにご活用ください。