
誰もが簡単に楽しめるゲーム、ハイパーカジュアルゲームの広告をSNSなどでよく目にするのではないでしょうか?
ハイパーカジュアルゲームとは?
ハイパーカジュアルゲームとは、複雑な操作や特別な戦略性などを必要とせず、数分の短い時間から気軽に楽しめるゲームのことです。アドネットワーク広告でマネタイズすることにより基本的に無料で楽しむことができます。集客およびマネタイズの両方で、アドネットワークを使用することを前提としているのが特徴的です。
参考:【一問一答】「 ハイパーカジュアルゲーム 」とは? : 芸者東京・田中泰生氏に訊く、成功の条件ーーDIGIDAY
ユーザーが多いハイパーカジュアルゲームの分析を行い、各ゲームアプリの売上や利益のピーク時期の継続月数を把握することで、自社でサービスをローンチする際に役に立つのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、アプリ分析プラットフォームApp Apeの保有する月間利用者数(MAU)を中心としたユーザー動向の推移などから、ハイパーカジュアルゲームの”寿命”を探っていきたいと思います。
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現在の人気ハイパーカジュアルゲームのランキングは?
Google Playのミニゲームカテゴリとアーケードカテゴリのアプリを対象に、月間利用者数(MAU)が高い上位10ハイパーカジュアルゲームのアプリをランキング化してみました。
▼ハイパーカジュアルゲーム MAUランキング
順位 | アプリ名 | 企業名 |
---|---|---|
1位 | ホームスケイプ (Homescapes) | Playrix |
2位 | ガーデンスケイプ(Gardenscapes) | Playrix |
3位 | タウンシップ (Township) | Playrix |
4位 | ホール.io | VOODOO |
5位 | 群衆都市 | VOODOO |
6位 | グッドスライス | VOODOO |
7位 | マイホーム デザインドリーム | ZenLife Games |
8位 | クライマーを描こう – Draw Climber | VOODOO |
9位 | ボールソートパズル | IEC Global Pty Ltd |
10位 | Paper.io 2 | VOODOO |
Note
- データ元:App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/ アクティブ数はApp Ape 推定による
- MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数
このデータによるとPlayrixのアプリが3つ、VOODOOのアプリが5つのタイトルが上位10圏内にランクインしております。
次の章から、Playrix・VOODOOの過去のリリースアプリから、ハイパーカジュアルゲームがどれくらいの期間利用されているかをみていきましょう。
リリース日を見てみると、下記のようになります。
「ホームスケイプ」:2017年リリース
「ガーデンスケイプ」:2014年リリース
「ホール.io」:2018年リリース
「Paper.io 2」:2018年リリース
ハイパーカジュアルゲームの寿命は短いと思われがちですが、ガーデンスケイプのように6年経った今でも人気を維持しているゲームもあります。
上記のランキングから、ハイパーカジュアルゲームでもインストールされてから長期間利用してもらえる可能性があります。
ハイパーカジュアルゲームランキング上位アプリの特徴を知るため、MAUの推移をデータでみていきましょう。
Playrixのユーザー数の周期は1年?
Playrixの特に利用者数が多いアプリのMAU推移から、アプリごとの寿命がどれくらいなのかをみていきます。

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
上記の表のデータによると「ホームスケイプ」 (Homescapes)、「ガーデンスケイプ(Gardenscapes)」、「タウンシップ 」(Township)、「フィッシュダム」(Fishdom)の各アプリのMAUの波が似た傾向を示していることが分かります。
▼ガーデンスケイプ MAU推移

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
ガーデンスケイプの2016年8月〜2020年7月までのMAUの平均をとり、各月で平均より高いか低いかをみてみると、平均より高い数値を示している期間が2016年12月〜2017年12月、平均より低い数値を示している期間が2018年1月〜2019年6月、また、平均より高い期間が2019年7月〜2020年7月現在まで継続しています。
※グラフ上のグレーの横線が平均値となります。
▼ホームスケイプ MAU推移

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
▼フィッシュダム MAU推移

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
他の3アプリのデータもみてみると、平均よりも高い数値を記録している月は、一度平均値を超えると1年〜1年半ぐらいの間、平均値よりも高い期間が続く傾向があります。
▼タウンシップ MAU推移

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
「タウンシップ」の場合には、MAUの伸びが比較的小さい期間は、平均より高い期間が6ヶ月ほどとなっている場合もあり、例外もみられました。
以上のように、多少のばらつきはあるにしても、人気上位のハイパーカジュアルゲームはMAUの高い期間と低い期間を1年〜1年半程度の周期で繰り返していることがわかりました。
VOODOOの作品のMAUの推移からサービスの寿命を分析!
次に、VOODOOのリリースしているアプリのMAU推移をみていきましょう。

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
「群衆都市」、「ホール.io」、「グッドスライス」、「クライマーを描こう」 「- Draw Climber」、「Paper.io 2」などの一定以上のユーザー数を記録しているアプリのMAUの推移をみてみると、Playrixと同じく、どのアプリも波の傾向が似ていることが分かります。
▼群衆都市 MAU推移

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
▼ホール.io MAU推移

[MAU(Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]
その中でも特に多くのユーザー数を抱えている「群衆都市」「ホール.io」は、サービスがリリースされてからユーザー数の伸びが爆発的に伸びており、その後少しユーザー数の伸びの速度が低迷しますが、またユーザー数が伸びています。
各アプリの2018年6月〜2020年7月までのMAUの平均をとり、各月で平均より高いか低いかをみてみると、平均よりも高い数値を記録している月は、一度平均値を超えていくと4〜6ヶ月の間高い数値を記録し続ける期間が続くという傾向がみられます。
ただ、両ゲームメーカーのMAU推移のデータを見る際には、以下のような点に注意してみる必要があります。
- VOODOOの作品とPlayrixの作品はサービスの提供を開始した時期も異なっていることが多く、Playrixの作品が先に市場でサービスを開始し、ユーザーのシェアを先に奪ってしまっていた可能性があること
- 両ゲームの開始時期にサービスを開始したゲーム数がどれだけあるかなどの条件も異なっている可能性があること
上記のデータから分かるように、両ゲームメーカーの作品はともにMAU増減のサイクルがあることがわかりました。ハイパーカジュアルゲームのサービスとしての寿命を分析する際には、、MAUの波が一つの基準となるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、MAUを中心としたユーザー動向データからハイパーカジュアルゲームについて分析してきましたがいかがでしたか。
ハイパーカジュアルゲームは手軽に遊べることから世界的に人気の高いジャンルのゲームであり、PlayrixやVOODOOをはじめ勢いのある企業が多く、それらのサービスの寿命を考察しておくことは今後の戦略などを考えるうえで非常に重要でしょう。
この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にして、ゲームアプリにおけるマーケティングの参考情報として役立てると良いのではないでしょうか。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
App Apeの詳細はこちら:アプリ分析ツール App Ape
※ 下記より、App Apeの説明資料をダウンロードできます。