
アプリ業界の最新トレンドを知るには、どのアプリがインストールされているか、過去のデータと比較し大きな変化が生じたアプリはあったかなど、アプリユーザーの動向を調査する必要があります。新型コロナウイルスの影響が続いた2020年8月、スマートフォンアプリのインストール数にはどのような変化があったのでしょうか。
この記事では、アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」で蓄積するユーザーデータを分析し、2020年8月のアプリインストールランキングをご紹介します。また、先月と比較し特にインストールが伸びたアプリ「メルカリ」に着目し、ユーザー属性やインストール回数の推移からランクインした要因を探っていきます。
アプリ業界のトレンドを知りたいマーケターの方、アプリインストール施策に役立つ分析ツールをお探しの方は必見の内容となっていますので、ぜひ参考になさってください。
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【最新版/2020年8月】アプリインストールランキングTOP10
まずは、2020年8月のアプリインストールランキングTOP10から、多くのユーザーにインストールされたアプリの傾向を見ていきましょう。以下の表は、全カテゴリにおける8月のインストール数上位10個をランキング化し、先月(7月)と比べた順位変動をまとめています。
順位 | アプリ名 | 先月比(順位) |
---|---|---|
1位 | COCOA – 新型コロナウイルス接触確認アプリ | 変動なし |
2位 | マイナポイント | 変動なし |
3位 | メルカリ(メルペイ) | +14位 |
4位 | LINEマンガ | +2位 |
5位 | TikTok | 変動なし |
6位 | J-Coin Pay | +7位 |
7位 | ピッコマ | ー4位 |
8位 | +8位 | |
9位 | ZOOM Cloud Meetings | +2位 |
10位 | ー1位 |
Note
- データ元:App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/ アクティブ数はApp Ape 推定による
- インストール数:アプリの月間インストール数の推移。当該月において、アプリを端末にインストールしたユーザー数を表示。
2020年8月のアプリインストールランキングでは、「COCOA – 新型コロナウイルス接触確認アプリ」が1位、「マイナポイント」が2位にランクインしています。ともに政府が関わるアプリであり、7月に引き続いて1位・2位獲得となりました。
新型コロナウイルスの感染者数は8月に入っても減少傾向にはならず、8月1日には東京都で過去最多となる472人の感染が確認されました。なかなか収束の兆しが見えない中で、コロナ陽性者との接触が確認できる「COCOA」のインストール数は、7月と同様に高い水準を保っています。
参考:NHK 『新型コロナ 東京 472人感染確認 過去最多を更新』
全体的にはあまり順位に変動がない中で、3位にランクインした「メルカリ」は7月と比べ+14位の順位アップとなりました。ここまでインストール数が伸びた要因は何だったのでしょうか。
ここからは、メルカリアプリのユーザー属性や日ごとのインストール推移を分析し、8月にインストール数が急増した要因を探っていきます。
メルカリのユーザー属性、男女比はほぼ変わらず
メルカリアプリにおけるインストール数急増の要因を探るために、まずはメルカリを利用するユーザー属性を調査しました。以下のグラフは、メルカリアプリの月間アクティブユーザー数(MAU)を性別・年代別に比較したもので、青のグラフは男性の割合、赤のグラフは女性の割合を表しています。(2020年8月分/Androidのみ対象)

[性年代比率:そのアプリの対象期間における所持ユーザー(MAU)のうち、性別×年代でみたときの各世代の割合]
2020年8月におけるメルカリアプリの男女比を見ると、男性の割合が50.5%、女性の割合が49.5%とほぼ変わりありませんでした。この結果から、メルカリは男女ともに利用されているアプリということがわかります。
性別年代比では男女ともに20〜40代の利用が多く、最も多かったのは30代の女性で16.2%、次に多かったのは同じく30代の男性で15.4%でした。
男女で少し違うところとしては、20代の女性の割合が10.7%と、男性の12.8%よりも少ない点が挙げられます。また、30代以上のユーザーは男性よりも女性の割合が多いのに対し、10〜20代の若い年代では男性の割合が多い点も注目です。
以下の記事にて、メルカリの利用が多い時間帯を分析した結果をまとめています。ぜひこちらもご覧ください。
月間インストール回数の推移からインストールが伸びた要因を探る
以下のグラフは、8月1日から8月31日までのインストール回数を日ごとに抽出し、その推移を表したものです。

[インストール数:アプリの月間インストール数の推移。当該月において、アプリを端末にインストールしたユーザー数を表示。]
8月のインストール回数の推移を見ると、インストールが多い日と少ない日がくっきりと分かれています。日常的に満遍なくインストールされていたのではなく、日によってインストール数に大きな違いがあったことがわかりました。
メルカリアプリのインストールが伸びた要因は、8月に行われたキャンペーンやテレビCM、オンラインフェスが関係していると考えられます。
▼dアカウント連携スタートキャンペーン(7月31日〜8月31日)
メルカリとdアカウントを初めて連携した方限定で、最大800円分のdポイントがもらえるキャンペーンが開催されました。
参考:メルカリ 『【7/31~8/31】最大800円分dポイントもらえる!dアカウント連携スタートキャンペーン』
▼テレビCM「メゾンメルカリ」シリーズの新CMが放映開始(8月1日〜)
メルカリのテレビCMシリーズ「メゾンメルカリ」の新キャラクターにお笑いコンビ「ずん」の飯尾和樹さんが登場し、8月1日より新CM「おくる・もらう/知る」篇、「おくる・もらう/使う」篇がスタートしました。
参考:PR TIMES 『テレビCM「メゾンメルカリ」シリーズに、メルカリの新機能「おくる・もらう」篇が登場』
▼10%ボーナス還元FamiPayキャンペーン(8月19日〜9月9日)
ファミリーマートの電子決済サービス「FamiPay」を使ってメルカリで買い物をした方を対象に、10%相当のFamiPayボーナスが還元されるキャンペーンが開催されました。
インストール回数のグラフを見ると、キャンペーンが始まった19日にインストール数が大きく伸びていることがわかります。
参考:メルカリ 『【8/19~9/9】FamiPay利用でFamiPayボーナス10%相当還元!「FamiPayキャンペーン」開催中!』
▼メルカリオンラインフェス開催(8月22日)
オンラインで初となるお客様参加型のコミュニティイベント「メルカリオンラインフェス」が開催されました。
インストール回数のグラフを見ると、イベントが行われた22日のインストールはそれほど伸びていませんが、その翌日23日のインストールは大きく伸びています。これは、オンラインフェス自体はZoomとYouTubeで配信されたためメルカリアプリをインストールしなくても参加できたこと、フェスに参加して興味を持ったユーザーがフェス明けにアプリをインストールしたことが要因だと考えられます。
参考:メルカリ 『メルカリ、オンラインで初となるコミュニティイベント「メルカリオンラインフェス」を8月22日に開催』
▼「.st」をメルペイで支払うとポイントもらえるキャンペーン(8月26日〜9月4日)
対象期間中に「.st(ドットエスティ)」サイト内でメルペイを使って税込5,000円以上の買い物をすると、1,000ポイント分のメルカリポイントが還元されるキャンペーンが開催されました。
インストール回数のグラフを見ると、キャンペーンが始まった26日は前後の日と比べ伸びています。しかし、キャンペーン対象の店舗が「.st」のみと限られていたため、それほど大きな伸びとはならなかったようです。
参考:メルカリ 『.st(ドットエスティ)キャンペーンの概要』
まとめ
コロナ禍にあった2020年8月のアプリインストールランキングでは、政府系アプリの「COCOA」と「マイナポイント」が7月に続き1位・2位にランクインしました。全体的に順位変動があまり見られなかった中で、3位にランクインした「メルカリ」は前月比+14位と8月に入って大きく伸ばしています。
メルカリのインストール急増の要因を探るためにユーザー属性を調べてみると、メルカリユーザーは性別の偏りがなく、男女ほぼ同数の割合で利用されていることがわかりました。
また、メルカリのインストールが伸びた要因は、8月に開催されたキャンペーンやテレビCM、オンラインフェスが関係していたと考えられます。
アプリインストール数の変化は、キャンペーンやイベントの開催と大きく影響しているといえそうです。さらに詳しいデータや他のアプリの時間帯ごとのアクティブユーザーの動きを知りたい方は、お気軽に下記からApp Apeの無料版をお試しください。
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