ニューノーマルは定着しているのか?【フードデリバリーの場合】

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除から3カ月が経過しました。

7月から8月にかけて感染者数が急増するなど先行き不透明な状況が続く中、人々はコロナウイルスの存在を前提とした”ニューノーマル(新常態)”の生活の中でどのように日々を過ごしているのでしょうか。

今回はコロナウイルスの影響の顕在化とともに需要が急激に高まったフードデリバリー関連アプリの利用動向や定着度合いについて、アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)のデータから探りました。

フード&ドリンクカテゴリー上位は半年でMAU7.1%減

[データ元: App Ape (国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

Android端末を対象に、デリバリーアプリが属するフード&ドリンクカテゴリーの2020年1月〜7月の合計MAUの推移を見ると、7月の合計MAUは1月に比べ7.1%減少しました。

コロナウイルスの感染防止を図ろうと人々が外出を自粛したり、人が集まる場所を避けたことに加え、先行きの不透明感から消費を差し控えるようになった結果、多くの全体の利用が減少したと筆者は見ています。6月の1月比9.1%減に比べると減少幅は縮小しており、全体の減少は底を打ったとの見方もできます。

緊急事態宣言回復後もデリバリーアプリのMAUは高水準を維持

[データ元: App Ape (国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[MAU (Monthly Active Users):そのアプリの対象期間における、月間アクティブユーザー数で、月に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

一方、Androidのフード&デリバリーカテゴリー月間利用者数(MAU)ランキング(2020年7月)を対象に、デリバリー機能を有する上位5アプリ(Uber Eats、出前館、ほっともっと公式アプリ、マックデリバリー 、楽天デリバリー)を抽出。App Apeで2020年1月〜7月の各アプリの利用動向を調べると、全体の傾向とは異なる傾向を示しました。

2020年1月〜7月の上位5アプリの合計MAUの推移を見ると、1月に比べ実に124%増となりました。緊急事態宣言明けの6月にわずかに縮小したものの、7月に再び増加幅が増大に転じており、フードデリバリーアプリのユーザー規模という観点では、”ニューノーマル”の生活様式の中で定着しているもようです。

8月に入り利用加速

[データ元: App Ape (国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users):そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数で、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

もう少し利用動向の解像度を上げて利用動向を把握するため、2020年1月〜8月の月別の平均日間利用者数(平均DAU)を見ると、7月は1月比171%増8月は1月比183%増と日々の利用増が加速している様子が浮き彫りになりました。

コロナウイルの感染拡大に伴い、人々の生活が”巣ごもりモード”となったのに加え、全国的な猛暑で外出を控える家庭が多かったことなどが作用したと筆者は見ています。

さらにApp Apeの行動分析機能で7月のUber Eats所持者数に占めるMAUの割合(利用率)は58.7 %で前月に比べ4.6ポイント上昇。MAUの新規、休眠復帰、前月からの継続利用の割合を見ると、休眠復帰の割合が8.7ポイント増の23.2%となっており、全体の利用が底上げされているだけでなく、コロナウイルスの感染拡大で6月以前の緊急事態宣言下でアプリを利用していたユーザーが再びデリバリーサービスを利用し始めている様子も見えました。

日本のデリバリーアプリはこれからが進化・成長のとき

一連のデータからは、コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急時だけでなく、”ニューノーマル”の生活様式の中にデリバリー文化がアプリを通じて根付きつつある様子が見えました。

季節などの外部要因によるデリバリーサービスの年間変動などを考慮する必要があるものの、コロナの影響が続く中での成長分野としてウォッチする価値が高いことに変わりはありません。

加えて、フードデリバリーだけでなく、ネットスーパーなど生活に関連する様々なサービスが”デリバリー”可能であることを勘案すると、今後の伸びしろはさらに大きくなるかもしれません。

新しい生活様式は、新しい消費の思考や文化を醸成しつつあります。引き続き関連データを注視する必要がありそうです。