ニューノーマルはどこまで定着しているのか?【動画編】

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コロナウイルスの影響が顕在化して以降、緊急事態宣言による”巣篭もり生活”や解除後のニューノーマルの生活様式の定着により人々の可処分時間の使い方は大きく変容し、いまも変化の最中にあります。

中でも、余暇時間を中心に緊急事態宣言下での受け皿となった動画・エンタメ系アプリは、今、どのような利用動向となっているのでしょうか。ニューノーマルの動画アプリの利用動向をアプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」で読み解きました。

時間帯別のユーザー規模は底上げ

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[HAU(Hourly Active User):そのアプリの対象期間における、時間帯ごとのアクティブユーザー数であり、その時間に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

コロナの影響が顕在化する前の1月、緊急事態宣言下の4月、宣言解除後の7月を対象に、YouTubeなどが属する動画プレーヤー&エディタカテゴリの時間別利用者数(HAU)の月間平均をApp Apeでそれぞれ見ると、4月の13時台に1月比28.0%増と日中の時間帯を中心にHAUが大きく伸びました。

7月も4月に比べ落ち着いてはいるものの、ほぼすべての時間帯で利用の底上げがなされている形です。

コロナに伴うインドア志向とリモートワーク・オンライン授業の実施などで可処分時間の過ごし方が多様化していることが大きいと筆者は見ています。

日々の動画視聴が習慣化

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

日々のアプリ利用はどのように変化しているのでしょうか。

2019年1月〜2020年8月の主要な動画・エンタメ系アプリ(YouTube、TikTok、Amazonプライム・ビデオ、BuzzVideo、ABEMA、TVer、niconico、GYAO! 、Netflix、U-NEXT、dアニメストア、Hulu、FOD、dTV)の月別平均DAUの合計を見ると、緊急事態宣言下の2020年5月がこの1年間で最多。前年同月比26.3%増と大きな伸びを示しました。

緊急事態宣言の解除でわずかに利用が落ち着いたものの、6月は前年同月比18.9%増、7月は18.2%増、8月は19.9%増といずれも前年を大きく上回る水準で推移しています。

スマホアプリを通じた動画視聴が日々の生活の中に習慣として定着しつつあることが、データからは読み取ることができます。

コロナ以降特に伸び率が高いアプリは?

[データ元: App Ape(国内約15万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による ]
[DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

2020年1月と8月の平均DAUを比較すると、最も増加率が高かったのはU-NEXTで55.0%増となりました。以下、Hulu(32.3%増)、TVer(32.0%増)、FOD(27.1%増)、Amazonプライム・ビデオ(22.4%増)と続きました。

いずれのアプリも長尺のエンタメ系動画コンテンツを多数配信するプラットフォームで、インドアでのアプリ利用の選択肢として存在感が高まっている様子が見えます。

習慣化したアプリ利用は”不可逆な変化”に近い

スマホアプリの観点で見ると、人々の物理的な移動が大きく制限されたりリモートワーク・在宅勤務に切り替えるビジネスパーソンの増加などの影響で日中のアプリ利用率がコロナ以前に比べ上昇。時間の使い方はより多様化する方向に進んでいます。

コロナ禍で、アプリユーザーの利用時間帯は変化したのか?自粛前後でデータを比較

「通勤時間は”隙間時間”で、家に帰ってからが自由にできる時間」などといった従来の時間の使い方のフレームワークは通じなくなりつつあるのに加えて、これらの時間の使い方の習慣化が進み、いわば”不可逆な変化”となる可能性を帯びていると筆者は見ています。

そのような中で、コロナに加え、猛暑や台風などの異常気象でインドア志向の高まりから、特に動画、エンタメ系アプリの需要はますます高まっています。

コロナの最中であるいま、どのように人々と向き合い、必要なサービスや仕組みを提供するのかかによって、コロナ以降の世界での立ち位置が大きく変わるでしょう。

引き続き人々や世の中の”映し鏡”であるアプリのデータを注視する必要がありそうです。